“タコ星人”発言をクラス中から笑われるアーニャ
休暇明け、ヨルは同僚にお土産として「骸骨標本のキーホルダー」を配るも、これが大不評。しかし最終的には「ヨル先輩らしい」と、半ば呆れられつつもことなきを得る。一方のアーニャはと言うと、友達のベッキー・ブラックベル(CV:加藤英美里)に豪華客船に乗った話をするも、「フツーね」とそっけなく返されてしまう。それもそのはず、ベッキーは休暇中、人気女優を招いて100人規模の豪華パーティをして過ごしていたのだ。クラスメイトたちの注目が一気にベッキーに集まるなか、アーニャは思わず「アーニャのおふねだって…やばいやつ100にんくらいのってたし…!!」と、ついベッキーに対抗して話を盛ってしまう。その後、クラスメイトたちの追及により苦しくなったアーニャは話を捏造するハメとなり、最後にはみんなの笑い者になってしまうのだった。
バカンスでの幸せそうな様子から一転、見栄を張ってしまったばかりに追い詰められていくアーニャの姿が印象的。元はと言えば、「ナカヨシ作戦」遂行のため、ダミアン・デズモンド(CV:藤原夏海)の気を引こうと自慢話を始めたアーニャだったが、ベッキーに負けまいと話をどんどん盛ってしまうなど、子供らしい一面がなんともかわいい。コロコロと変わっていく表情も楽しいパートであった。なかでも、クラスメイトのひとりが先生に「フォージャーがタコ星人を倒してきたそうでーす!!」と報告した際のアーニャの表情は非常に印象的だった。またこの一連のシーンでは、ベッキーも存在感を見せた。本人に悪気はないものの、豪華客船のインペリアルスイートを「チョードヒン(調度品)のシュミがちょっとイマイチだったわ」と評価したり、人気女優を招いてのパーティの様子を得意げに語ったことで、アーニャの対抗意識が煽られてしまった。アーニャのよき学友であるベッキーの、奔放なお嬢様キャラが久しぶりに堪能できたことも嬉しい。
「嘘」に対する各々の見解が明らかに?
打ちひしがれて帰宅したアーニャは、学校での出来事をロイドたちに話す。ロイドは思うところがありながらも「ウソはよくないな」とたしなめ、家に遊びに来ていたユーリ・ブライア(CV:小野賢章)は「嘘をつくような人間はクズだ!」と断言し、ヨルは「なるべくなら、ありのままの自分でいたいですよね」と優しく取りもつ。この時、それぞれの心の内を読み取ったためか、アーニャは「うそつきはたいへんなので、もうやらないようにする」と、しみじみと呟くのだった。
オチとなる最後のパートでは、「嘘」に対するロイドとユーリの考えが明らかになる。日常的に嘘をつくのが仕事であるロイドは、心の中では「偽装するならもっと戦略的に、徹底的にやるんだ!」とアドバイスをし、ユーリは嘘つきはクズだと本心から思っているが、「姉(ヨル)のためにつく嘘は正義」だと信じて疑わない。そんな中で、ヨルだけモノローグがなく、ただオロオロとしているのが面白い。ヨルもふだんから家族や職場で嘘をついて正体を隠しているものの、「なるべくなら、ありのままの自分でいたい」と本心から思っているのだろう。ともかく、それぞれの事情で「嘘」をついている3人の心を読んだアーニャが、「うそつきはたいへん」だと感じるのも頷ける。ちなみにベッキーとダミアンは「MISSION:29」ぶり、ユーリは「MISSION:33」ぶりの登場となり、久しぶりの面々による小気味のよいコメディがたっぷりと楽しめたエピソードとなった。
次回「MISSION:36」は12月16日(土)放送予定。期待して待とう!
※種崎敦美の崎は、正しくは「たつさき」
■文/岡本大介
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