芸人さんとウィンウィンの関係を作ることが理想
――では、テレビマンとしてのターニングポイントとなったのは、やはり…。
「間違いなく『オンエアバトル』ですね。この番組に関わったことが、お笑い番組をずっとやっていこうと決意するきっかけになりましたし、そのためには芸人さんと、人と人として付き合っていかなきゃならないんだと学ばせてもらった番組ですから。最初は、お笑いのことなんて全く分かってませんから、おそらくずいぶん的外れなことも言ってたと思うんですけど、番組作りを通じて、芸人さんたちから笑いのイロハを教えていただきました。ますだおかだの増田(英彦)さんの『漫才はお客さんがいないと成り立たない』、バナナマンの設楽(統)さんの『コントは台本だけがいいだけじゃダメ。その人たちが演じるから面白くなるっていうものじゃないと意味がない』といった言葉は、なるほどと思いましたね」
――岡澤さんが番組を作る上で心掛けていること、大切にしていることは?
「僕は、芸人さんとウィンウィンの関係が作れると一番いいなと思っていて。『オンエアバトル』は、芸人さんにとっては、活躍の場が広がるきっかけになったと思いますし、われわれも、この番組によっていろんな芸人さんと関係を持つことができた。つまり、お互いにプラスの関係性を築くことができた番組なんです。そういう番組は長続きするんですよ(笑)。
あとは、芸人さんとフラットな関係でいたい、ということ。要は、偉そうにしたくないんですよね(笑)。信頼関係をしっかり築いた上で、お互いを尊重しながら一緒に番組を作るのが楽しいんです」
――今、新しい番組の構想はあるんでしょうか。
「具体的なことはともかく、これからも僕は、芸人さんと仕事をしたいから、お笑い番組を作り続けたい。今また、ネタ番組がほとんどなくなってきてるので、そういう番組を作らなきゃいけないな、というのはありますね。あと、『番組バカリスム』みたいなロケコントがやりたいです」
――ちなみに今、岡澤さんが注目しているテレビ番組やクリエイターは?
「『番組バカリスム』でもご一緒した演出家の住田崇さんはスゴイ人だなと思いますね。僕も好きだった『戦国鍋TV ~なんとなく歴史が学べる映像~』(2010~2011年、2012年tvkほか)も手掛けられていた方なんですけど、最近でも『住住』(2017年1~3月日本テレビほか)とか、『架空OL日記』(2017年4~6月日本テレビほか)とか、とても面白いものを作られているなと」
――昨今はテレビメディアの衰退を危惧する声もありますが、岡澤さんは今後のテレビ界はどのようになっていくと思われますか。
「やはり厳しいとは思います。特に、お笑いの芸を見せるメディアとしては、年々難しくなってきているのかなと。でも、そんな状況ですけど、面白い番組を作りさえすれば、状況は変わると思うんですよ。だから僕は、今後も自分自身が面白いと思える番組を作っていくだけですね。気楽に、あまり使命感を持たずに(笑)。ともあれ、演者もスタッフも含め、みんなで楽しみながら番組を作っていきたいです」