コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、ヒロ・コトブキさんの「白いランチョンマットに」。
この作品は、2023年12月9日にX(旧Twitter)にて投稿されると、瞬く間に2.3万以上のいいねを集めて話題になった。このポストには「オチが完璧!」「こういうちょっとした発想がたまらん」「ほっこりした」といったコメントが殺到。この記事では作者のヒロ・コトブキさんに、作品のこだわりなどについてインタビューを行った。
初めてできた友達の存在が…
セウユスは天使の子。どの天使よりも心がきれいで優しい男の子だが、なかなか上手に飛べないことを悩み、不器用さと居場所のなさに毎日泣いていた。
ソスは人間の男の子。授業中に雲の形を追いかけて先生に叱られてばかりだった。
そんな2人が運命的な出会いによって仲を深めていく。何よりも同じ気持ちを持った友達がいることが嬉しくてたまらなかった。自分の宝物を見せあったり、知恵を出し合ったりするなかで友情が芽生え…
「人と比べる必要なんてない」
「ゆっくりでも自分のペースで生きていけばいい」
生きていく上で大切なことを教えてくれる物語に、「人生の教科書にしたい」の声続出。
作者ヒロ・コトブキさん「漫画や創作のことを考えていられる時間がもっともっと長く持てますように」
ーー『白いランチョンマットに』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
ちょこんと出ている紐のようなモノを見つけては、そこをズルズルと引っ張り出すようなことをしているので、理由のようなモノは(いつも)特にないんです。引っ張った先に笑いが出てくるかも涙が出てくるかも分からず描いているのが本当のところです。でも描いている途中で村上春樹さんの本にあった『よく育つものはゆっくり育つ』という言葉を思い出して、道筋ができていったように思います。それはそのまま作中のゼスタさんの言葉につながっています。
ーー今作を描くうえで「こだわった点」や、「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
誰も悪くならないようにしています。ソスの周りの生徒たちや、セウユスの周りの天使たちも、想像の追いつかないものにあきれたり笑ったりはするけれど、いじめているわけではない。この絵本を描いた主人公の女性の母親も、悪い親のわけじゃない。言葉選びと、距離感にはすこし気をつかいました。
ーー今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
『セウユスもソスも 自由のよさと不自由のよさを 両方知っていたから』という言葉が好きです。これはそのまま自分の傷口を受け入れて、認めて、自分のことを好きになれた瞬間にうまれる言葉のように感じるからです。
ーーヒロ・コトブキさんは、オチにクスッと笑ってしまうようなシュールな作品を多く描かれていますが、普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか。
それについては、『いつ』食べた『なに』が、『どれ』になって出てきたのか(なんて下品な表現!)自分でも分かってないんですごめんなさい。だけどわりと、ギャグからギャグがうまれたり、ワンダーからワンダーがうまれるわけではないような気がします。
ーーヒロ・コトブキさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
漫画や創作のことを考えていられる時間がもっともっと長く持てますようにと願っています。頭のなかにある、まだ形になっていないモクモクした雲のようなモノ全部に、はやく物語やセリフをはめこんでみたいです。
ーー最後に、作品を楽しみにしている読者の方へ、メッセージをお願いします。
いつもほんとうにありがとうございます。小学生や中学生の頃ノートに描いていた落書きのような漫画を、数人の友だちが休み時間に読みに来てくれて、その笑い声や揺れる肩を離れたところから感じている。あの恥ずかしくてドキドキした時間がおじさんになっても続いているようで、とてもラッキーです。ありがとうございます。
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