猫猫と壬氏の間接キス
一方、小蘭(CV:久野美咲)から風明の関係者が大量解雇されているという話を聞いた猫猫は嫌な予感がして壬氏の元を訪ねる。
猫猫にはやり手婆への借金があった。里帰りの際に李白(CV:赤羽根健治)を緑青館に送り込んだが、まだまだ貸しは返せていない。もし今、解雇されれば、妓女にさせられると思った猫猫は壬氏にどうにか解雇を免じてもらえるように頼む。しかし、自分の立場をわきまえている猫猫は媚びへつらうことを避けたため、後宮に残りたいという気持ちは壬氏に伝わらず、結局は解雇となってしまうのだった。
その翌週、お世話になった人たちへの挨拶を済ませ、花街に帰っていった猫猫。せめてもの温情として壬氏が退職金を弾んでくれたことですぐに妓楼に売り飛ばされることはなかったが、三姫の引き立て役として貴人の宴に参加することに。そこにいたのはなんと、壬氏だった。
猫猫が後宮を去ってからというものの、廃人のようになっていた壬氏。綺麗に着飾った猫猫の存在に気がついた途端、彼の顔には生気が蘇った。久しぶりの対面となった2人はそこが後宮ではないからなのか、立場の違いからも解放されて本音で語り合う。その中で壬氏は猫猫が後宮勤めも悪くないと感じていたことを知る。
そんな口下手で不器用な性格の猫猫を愛しく思いながら、壬氏は指先で彼女の唇に触れる。さらには、口紅の跡がついた指を自分の唇にそっと当てるのだった。これには、いつもはクールな猫猫も照れを隠せない。いたずらな笑みを浮かべる壬氏から思わず目をそらした猫猫。それを目撃していた三姫たちから彼女は壬氏との関係をしつこく追求された。
アニメオリジナルのシーンも!
後日、風呂屋でやり手婆から後宮に戻るのかと聞かれる猫猫。まだ自分の気持ちがよくわからない猫猫はその夜、夜風に当たりながら後宮での日々に想いを馳せる。壬氏に目をかけられてからというものの、猫猫は様々な事件に巻き込まれてきた。
帝の子を成すための場所として、宮廷の中に設けられた後宮。一見華やかだが、嫉妬や欲望、愛憎が渦巻くそこは猫猫が生まれ育った花街と変わらない。負の感情が膨らみきった先にある人の死にも猫猫はたくさん目の当たりにしてきた。油断していたら、いつ寝首をかかれるかもわからない。そんな場所だからこそ、心と心を通わせることができる人と出会う歓びもある。
猫猫がこれまでの日々を振り返るシーンはアニメオリジナル。きしかな子が歌う挿入歌「雪中花」の切なくあたたかなメロディと映像美も相まって感慨深い場面となった。後日、壬氏が再び花街を訪れ、やり手婆も目が眩む金子で猫猫を身請けする。猫猫も壬氏が持ってきた虫から生える奇妙な草に心を奪われ、後宮へ戻ることに決めた。
第1クールの最終回となった「薬屋のひとりごと」第12話。原作小説の“後宮編”がこれで全て映像化されたことになり、2024年1月6日から始まる第2クールでは続く“宮廷編”が始まる。SNSでは、「1クール最終回たまらーーーーん」「今まですれ違っていた"言葉が揃う"という意味でもラストの間接キスはロマンチックだった」「壬氏様にドキドキさせられたせいで寝れないわ」「今まで壬氏の行動にドン引きか嫌悪しか出してこなかった猫猫が間接キッス見て初めて恥じらっちゃうのが最高なんですわ」といった最終回への感想や、「後半クールで彼女の生い立ちも分かるのかしら」「2クール目も楽しみ!」「2クール目も綺麗で残酷な"ひとりごと"を是非聞かせてほしい」という第2クールへの期待も寄せられた。
※日高のり子の高は、正しくは「はしごだか」
◆文=苫とり子
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