コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、佐久間薫さんがTwitter上に投稿した漫画「ゴミ屋敷を訪ねて家の中を見せてもらう少年の話」だ。この話は佐久間薫さん作のコミック本『お家、見せてもらっていいですか?』に収録されている第4話。12月27日時点で3.6万いいねがつく反響があり話題となっている。作品を読んだ人からは「優しさが溢れてる」「良い話だった」など、読んで感動したという声も続出。今回は作者の佐久間薫さんに制作の背景を伺った。
道生が訪れたのはおばあちゃんのゴミ屋敷!
主人公は小学校3年生の家村道生。家の自由研究をするため、さまざまな家を訪ね家主の人生に触れていくハートフルストーリーだ。
今回、道生が訪れたのは“おばあちゃんのゴミ屋敷”。自由研究のため家を見せてほしいとお願いする道生に対し、おばあちゃんは「子どもなんかうるさくて、あたしゃ大嫌いだよ!」と道生を追い返す。それでも帰ることなく、おばあちゃんの家にあった物で遊ぶ道生に対し、思わず笑ってしまうおばあちゃん。道生に心を開いて特別に家の中を見せてくれることになった。
家の中にもたくさんある物に対し、興味津々の道生。おばあちゃんに「どうやって集めているんですか?」「いつ頃から集め始めたんですか?」などインタビューをすると、元から片付けは苦手でもったいないから物を溜めるタイプだったと話すおばあちゃん。旦那さんと離婚して、さらに物が増え、物があると安心するとおばあちゃんは答えた。
そこへ、隣町に住む娘さんが役所の人とやってくる。どうにかゴミを捨ててほしいと娘さんと役所の人が説得するが断固として捨てる気のないおばあちゃん。その時、ふと道生が家にある物を「かわいい」と手にとると、おばあちゃんは「あげるから持ってっていいからな~」と声をかけた。それを聞いて役所の人は「今度チャリティーバザーがあるんですが寄付していただけませんでしょうか…?」とお願いをすると、おばあちゃんは「構わないよ」と了承する。それを機に家の片付けをはじめ、少しずつキレイにいく家を見ておばあちゃんからでた一言とは…?
実際に作品を読んだ人からは「なんかジーンときたな…」「心がポカポカするね」「めちゃくちゃ好きだな」「実話だといいな」など、感動したという反応があがっている。道生が導き出す心温まるストーリーをぜひ楽しんでみてほしい。
今回は、漫画の作者・佐久間薫さんに作品ができあがるまでの話を伺った。
少年が家を訪問! 作者・佐久間薫さんの創作背景とこだわり
――「ゴミ屋敷を訪ねて家の中を見せてもらう少年の話」を創作したきっかけや理由があれ
ばお教えください。
少年が街の気になるお家を訪ねるという漫画の中のひとつのお話なのですが私だったらどんな家が見たいかな?と考えた時に 大きな日本家屋、コンパクトハウスなどと一緒にゴミ屋敷も浮かびました。みなさんも興味があるのではないでしょうか。
――「ゴミ屋敷を訪ねて家の中を見せてもらう少年の話」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
そうですね、まず「ゴミ」を描くのが大変でした(笑)私の絵は描き込みが多い方ではありませんが、それでもゴミ屋敷には何があるだろう? と考えたり資料を参考にしたりしてなるべく読者の方にリアルに伝わるよう、見応えがあるように、意識して描きました。
――「ゴミ屋敷を訪ねて家の中を見せてもらう少年の話」が収録されている『お家、見せて
もらっていいですか?』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
担当の編集者さんから「何でも佐久間さんの好きなものを描いてください」と言っていただき、私の好きなものをいくつか挙げていきました。雑談していく中で「家、ついていってイイですか?」「ドキュメント72時間」などのテレビ番組と森川すいめい著『その島 のひとたちは、ひとの話しをきかない』という自殺希少地域を取材した書籍、そして私の趣味の散歩しながらの建築観察が合わさって生まれました。
――『お家、見せてもらっていいですか?』は全9話収録されていますが、佐久間 薫さんが
特に気に入っているお話があればお教えください。
8話の「お兄さんの自作の山小屋」ですね。取材を元に描いてているのですが 以前から愛読していた、秀和システム刊『Bライフ』(現在は改題して筑摩書房より『自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ」として刊行)の著者、高村友也さんにお願いしてみたところ、快く引き受けてくださりすごく嬉しかったです。本で知っていることもあったのですが、実際に(リモートですが)お聞きし、それをもとにネームを作りチェクしていただいて…。なのでこの話はとても解像度の高いお話になっていると思います。そして主人公の少年・道生にかなり影響を与える人物なので、その点でも重要なお話になっています。
――佐久間 薫さんの今後の展望や目標をお教えください。
近い目標はこの本の重版ですね(笑)
――最後に佐久間 薫さんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
世知辛い世の中ですが、読んでほっこりできて、ちょっと元気になれるような漫画がまた描けると いいなと思っております。次回作でまたお会いできたら嬉しいです!