稀咲が歩んできた10年間
ヒナに好かれるため、自身も武道と同じ夢を追いかけるようになった稀咲。関東一の不良について調べ上げた稀咲は、ある人間にたどり着く。マイキーだ。そして稀咲は夢を叶えるための最高の“媒体”として、マイキーを中心に据えた10年がかりの壮大な計画を立てる。それはマイキーを操り、東卍を日本一の不良集団に仕立てて日本を牛耳り、ヒナを迎えにいくというものだった。
しかし、緻密に練り上げたはずの計画はことごとく失敗する。なぜなら武道が何度もタイムリープして計画を阻止していたからであり、そのことに稀咲自身も気づき始めていた。今回でついに武道がタイムリーパーであることを確信した稀咲は、銃の引き金に指をかける。
だが、武道に銃を奪われ、逆に命の危機に陥る稀咲。そこにヒナが現れ、武道が怯んだ隙に稀咲はその場所から逃走。全ての計画を知られてもなお、まだやり直しが効くと思っている彼は武道から逃げきるためにひたすら走った。そんな稀咲の動きが止まったのは、追いかけてきた武道が「もう二度とオマエを未来に帰すワケにはいかねぇんだよ!!!」という一言を放ったからだ。
稀咲はヒナをモノにするために日本一の不良を目指した。ここで浮かぶのが“なぜ稀咲はヒナを殺したのか?”という疑問だ。武道は稀咲もまたタイムリーパーであることを前提で、フラれた腹いせにヒナを殺したと思っていた。しかし、稀咲は「オマエ… まだオレがタイムリーパーだと思ってんのか?」と笑う。
もしかしたら、武道の予想は違ったのか。誰もが気になる真実が明らかになろうとしていた瞬間、一台のトラックが突っ込み、稀咲は跳ね飛ばされる。
衝撃のラストに視聴者から困惑の声も
手足は無残にも曲がり、頭からは大量の血を流す稀咲。目の前に広がる凄惨な光景に言葉を失う武道をバックに、稀咲のこれまでの歩みが流れる。稀咲は目的のためなら手段を選ばず、たくさんの人を死に至らしめてきた。しかし、その根っこにあったのはヒナへの恋心と武道への憧れという、あまりに純粋無垢な感情だ。それでも稀咲がやってきたことは到底許されることではなく、その報いとして彼は無様な最期を迎えることとなる。小さく呟いた「死にたくねぇ…」という一言が哀れにも思えた。
東卍と天竺の総勢約500名による抗争“関東事変”は、逮捕者5名、及び死者3名を出す凄惨な結果で幕を閉じる。逮捕者は天竺幹部の5名。そして、死者はエマ、イザナ、稀咲の3名だ。ということは……。
後日、武道は入院となった鶴蝶を見舞う。鶴蝶はイザナとともに稀咲の銃に倒れたかと思いきや、奇跡的な生還を遂げたのだ。イザナと稀咲が死に、2人がこれまで導いてきた「天竺の夢も終わったんだな…」と力なく呟く鶴蝶。全ての元凶である稀咲がいなくなったということは、武道の戦いもこれで終わったはず。しかし、武道の心は晴れやかではなく、稀咲が死んだあの日から手の震えが止まらずにいた。
ここで“天竺編”は幕を閉じる。武道の目的は果たされたかのように思えたが、まだまだ終わりではないことを匂わせる第50話に、SNSでは「意味深過ぎる終わり方だな」「稀咲は頭いいのに頑張る方向間違えたよな…」「タケミチの覚悟が凄かった。私にはあんな強さは一生手に入りそうにない」「これまだ続編あるよね?」「天竺編最高でした本当にありがとうございました」といった声が視聴者から挙がった。
※島崎信長の崎は正しくは「たつさき」
■文/苫とり子
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