コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、“サキュバスがあの手この手で男性に迫る様子”を描いた漫画『人間界にやってきたサキュバスの日常小話』をピックアップ。
作者である漫画家の吉さんが、2023月12月15日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、1.8万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では吉さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
人間界にやって来たサキュバスが“おにいさん”相手に張り切るも…
男性を誘惑することで精気を吸い取る、女性の姿をした悪魔“サキュバス”。本作はそんなサキュバスが人間界にやって来て、1人の男性“おにいさん”をターゲットにあの手この手を使って誘惑するオムニバス形式の漫画である。
本作に登場するサキュバスは子どもっぽさ全開で、おにいさんを必死に誘惑するも、子ども扱いされて失敗するのがデフォルト。サキュバスのかわいさと健気な姿に愛しさを感じるのが見どころの一つとなっている。
『サキュバスと嫌いな食べ物』では、子どもらしくピーマンが嫌いなサキュバスがピーマンを食べられずにいると、おにいさんに「それじゃもし食べられたならご褒美あげようかな」と言われる。それを聞いたサキュバスは“おにいさんから迫ってきた!?”と期待するのだが、ご褒美の正体はアイス。結局サキュバスはアイスに釣られて苦手なピーマンを完食するのだった。
実はこのサキュバス、おにいさんを誘惑しようと奮闘するものの、甘いものに目がなく、いつも“ご褒美”にほだされてしまうのだ。おにいさんに「私がほしいものは…」と言いかけると、「じゃあ次のご褒美は特別なものにしようかな」と提案。
“明日こそ精気を吸い取ることが…!!”と期待して次の日もピーマンを食べることを誓うサキュバスだったが、翌日“ご褒美”で与えられたのはケーキ。大好物を与えられて「おいしぃ~」と喜ぶサキュバスは、この繰り返しが続き、いつの間にかピーマンが食べられるようになっていた――。
その他にも、おにいさんが買ってきた“子ども服”をサキュバスが着させられる『サキュバスとコスプレ』や、大好きなプリンを転んだ拍子に落としてしまい、大号泣するサキュバスをおにいさんがあやす『サキュバスと悲劇』など、読み応えのある短編作が詰め込まれている。
ネット上では「サキュバスが精気を吸えるようになるとは全く思えない(笑)」「おにいさんの手の上で転がされてるサキュバスがかわいい」「純粋無垢で好き」「2人の何気ないやり取りにほっこりした」「おにいさんが父親に見える(笑)」「母性本能がくすぐられる」「どのエピソードも面白い!」など、2人のドタバタ劇を見守るたくさんの感想が寄せられていた。
作画の際には「ストーリーにキャラクター達が引っ張られないように意識」
――『人間界にやってきたサキュバスの日常小話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
日常系とファンタジー系が好きで、印象に残るキャラクターが描きたいなと思い、この作品ができました。
――本作では、天真爛漫であどけなさの残るサキュバスが非常に魅力的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
子ども用矯正箸を使わせたり、お菓子を与えて喜んだり、ギャン泣きしたり、子どもっぽく描くことにこだわりました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
おにいさんがセーラー服を着たサキュバスを写真に撮る際に、“入学式”と書いた紙を壁に貼り付けて写真を撮ったシーンがお気に入りです。少しおにいさんに感情移入してしまったことが理由です。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
夜布団の中に入った時などに、頭の中で自分の好きな要素を取り入れたキャラクター達でいろんな想像をした上で、このキャラクター達で漫画を描きたいなと思ったものを形にしています。
――吉さんの作品では、何気ない日常の出来事も、キャラの言動やストーリー展開によって、非常に面白くなる点が魅力的に感じました。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
ストーリーにキャラクター達が引っ張られないように意識しています。前はストーリーを重視しすぎて、キャラクター達の個性をなくして描いていたことがあったので、そこは大事にしています。
作画に関してはモノクロではなくカラーにしているところにこだわっています。ですが、今後モノクロ作品も描いていきたいと思っています。
――今後の展望や目標をお教えください。
サキュバスのお話ともう一つ描きたいと思っている作品があるので、そちらも多くの方に見ていただけたらなと思っています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも私の作品を見てくださり本当にありがとうございます。楽しんでいただける作品を今後たくさん描いていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。