TVerで「名作ドラマ特集」が始まりました。今回もたくさんのドラマが無料で見られますが、寒い時期ですし、熱い「ラブ」なストーリーのドラマを3つ、おすすめします。
『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい 』(テレ東)
続編映画まで作られた大ヒットドラマ、通称「チェリまほ」。自信がなく引っ込み思案で、恋人ができたこともない主人公の安達。30歳の誕生日を迎え、触った相手の気持ちが読める魔法が使えるようになった彼は、イケメンで仕事ができると評判の、会社の同期・黒沢が、自分に恋をしているのを知ってしまう。コメディではあるんですが、とまどいながら前に進んでいく安達と黒沢の心の動きと成長や、彼らをめぐる人々の思いに、何度も涙ぐみました。優しいラブにあふれた、本当にいいドラマです。
『消えた初恋』(テレビ朝日)
片思いしている橋下さんから借りた消しゴムに「イダくん」と書かれているのを見てしまった青木。これは好きな人の名前を書くおまじない、つまり橋下さんが好きなのは同じクラスの井田……。自分の初恋は諦めて、橋下さんの密かな想いを守ろうと決めた青木は、井田に消しゴムを見られてとっさに「俺のだ」と言ってしまう。驚きながらもまっすぐ青木の恋心(実は違うんだけど)に向かい合う井田と、そんな彼を見て気持ちが揺れる青木。誰かを大切に想うあまり、どんどん勘違いが加速していく、ちょっとおバカな高校生たちの、片思いだらけのお話。バカだなぁと笑いながら、全員のラブがかわいすぎてキュンとします。
『獣になれない私たち』(日本テレビ)
明るく、仕事ができ、素敵な恋人がいる晶。しかし実は会社では上司から理不尽な扱いを受け、4年付き合っている恋人の京谷にはいろいろ問題があって結婚まで進めない。行きつけのクラフトビールバーでビールを飲んでみても気持ちが晴れないし、バーで同じく常連の恒星には失礼なことを言われる。うわー、みんなひどい。ですが、そんな晶だって芯からいい人ではなく、やっぱり他の誰かにひどいことをしているのが、本当にリアルで、キツい。ずけずけと本音を言ってくる恒星との出会いで、作り笑いのうまい晶は変わるのか。ビールのようにほろ苦い……どころではなく、苦くて辛い劇薬のような物語。でも、苦い薬はたぶん何かに良く効きます。大人の「ラブ」が欲しい人に、いかがでしょうか。
■イラスト・文/渡辺裕子