心に傷を残しながらも、それぞれの新たな道を歩み始めるママ友たち
結局、ミホがスマホに保存していた音声データによってドジュンは逮捕され、無事事件は解決する。心に傷を残しながらも、ジョンアは事業の立て直しのため転園と転居の準備をし、夫・テホとの離婚調停を進めるナヨンは、父としての役目だけは果たしてもらおうと、園の行事に参加するようテホと連絡を取っていた。
そんな中、ミホは上司から昇進と海外赴任の話を受け、必死でジユルとハユルのことを忘れようとしていた。未練を振り切るように改めてユジンからの告発文を読み返していると、ふと続きのページがあることに気付く。「あなたは私の唯一の家族だった」「あなたを憎みきれない私が情けない…」といったユジンの言葉に、ミホは同じように彼女を大切に思っていたことを二度と伝えられない悲しみに暮れるのだった…。
その後、ジョンアに声を掛けられ園の行事に駆けつけたミホは、ジユルとハユルからのビデオメッセージを見て、2人への思いが溢れ出し、彼女らを引き取って3人で一緒に暮らすことを決意する。
新たな事業に取り組み前に進み始めたジョンア、そんなジョンアのもとで働き始めたナヨン、刑務所で罪を償うジエ、それぞれが前に進み始めていた。ミホも、ジユルやハユル、そして時々ジンソプという穏やかな毎日を送り、心から幸せになるために、大切な思い出を胸の中で温めていこうと誓うのだった――。
物語を通して変化していったミホとママ友たちの関係性
感情に駆られてミホを拉致し、怪我を負わせたうえに、大量の麻酔薬を投与して殺そうと企てたドジュン。カッとなると見境がなくなるドジュンの恐ろしさに、前半は、「このままミホが殺されてしまうのではないか…」と恐怖に震える展開となった。
結果としてはミホの身を案じるナヨンやジョンアらがいたおかげで助かったが、単独行動だったら力尽きて屋上から投げ落とされていたかもしれない。最初は敵対心むき出しだったママ友たちが、物語が進むにつれて“ミホの味方”へと変わっていく様子は、本作の見どころの一つと言える。
大切な2人の子供を残してこの世を去ったユジンの報われなさには心が痛むが、時は止まってくれない。ミホは、ユジンに伝えられなかった思いを胸に、子供たちと幸せな毎日を刻んでいくことだろう。最終話では、つらい思いをしてきた全ての人が、新たな人生を歩み始めるという希望に満ちたエンディングとなっていた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン