製作総指揮と二足の草鞋を履く名女優
こうしてすっかりオスカー常連になったエマ。しかし新しい分野への挑戦を続け、2018年には「マニアック」でドラマシリーズ初主演のみならず製作総指揮デビューを達成。2021年に公開されたディズニーの実写作品「クルエラ」(ディズニープラスで配信中)や今後の待機作の多くでも出演と製作総指揮を兼任していて、エマの新たな映画作りのスタイルになりつつある。
「101匹わんちゃん」に登場した悪名高きヴィランのクルエラの誕生秘話を描いた「クルエラ」の企画を聞いたのは2015年のことだったそう。「長い時間を経て本当に作れるなんて夢みたい」と話していたエマ。個性炸裂の豪華なファッションと共にディズニー映画史に残る新たな歴史を刻んだ。
2度目のアカデミー賞受賞なるか「哀れなるものたち」
そんな彼女の最新作として注目を集めているのが「哀れなるものたち」。1月26日(金)に劇場公開される本作は「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督とエマが再タッグを組むロマンス・コメディ・ドラマ。第80回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞に続き、第81回ゴールデングローブ賞ではミュージカル・コメディ部門で作品賞と主演女優賞を受賞。賞レースを席巻しており、アカデミー賞の行方にも期待が寄せられている話題作だ。
日頃プライベートについて公に話さないことで知られるエマだが、授賞式のスピーチでは2020年に結婚したデイヴ・マッカリーに「デイヴ、手短にあなたのことから言わせて。とても愛してるし、色々と本当にありがとう」と言葉を贈り話題に。「サタデー・ナイト・ライブ」の現場で出会い結ばれた二人の元には2021年に第一子となる娘ルイーズが誕生している。
作品について「この映画はロマンティック・コメディだと思ってます。ベラが人生そのものに恋をするのです。誰か人ではなくて。善も悪も同じものさしで見て受け止めるベラに、人生を全く違う目で見させられたし、本当に大切なことは何かを教わりました」と述べたエマ。
共演のマーク・ラファロ、ウィレム・デフォー、ラミー・ユセフなどへも感謝の言葉を述べたほか、監督のランティモスへも「ヨルゴス、まだ伝えていなかったかもしれないけれど、あなたには永遠に感謝し続けることでしょう」と言葉を贈った。対するランティモスも「ご存じのとおり、エマ・ストーン、彼女は最高です」と話しており相思相愛な様子を披露。このコンビが創り出す唯一無二の世界を、世界中の映画ファンが心待ちにしているのは言うまでもない。
アカデミー賞ノミネートの発表は、1月23日(現地時間)の予定。前哨戦ともいえる数々の賞レースを席巻していることもあり、大本命としてその行方を世界中が見守っている。もしノミネートを果たせば、4度目のオスカー候補になるエマ。この先どこまで躍進を続けるのか。底知れぬ魅力を秘める彼女の活躍から、今後も目が離せない。
◆文=KanaKo
ポニーキャニオン