明治時代初期の1874年を舞台にしたオリジナルアニメ作品「明治撃剣-1874-」が、BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)で1月14日(日)夜11時から放送スタートする。侍の時代が終焉を迎え、明治新政府は日本を西洋に匹敵する大国にしようとしていた。会津藩士だった折笠静馬は刀を捨て、人力車の俥夫として働きながら、内戦で行方不明になった許嫁の鹿又澄江を探している。唯一の手がかりは、澄江と静馬が幼い頃にいつも作っていた折り紙だった。政府高官・岩倉具視の暗殺計画を阻止した静馬は、その手腕を買われて新設された警視庁に就職し、“武士の世を再び”と謀反を企てようとする会津藩の生き残りたちによる陰謀を暴くことに。しかし、その黒幕は静馬にとって身近な人物だった…。
折笠静馬の声を「呪術廻戦」五条悟役の中村悠一、雛鶴役を「響け!ユーフォニアム」黄前久美子役の黒沢ともよ、そして静馬の剣のライバルでもある片目の剣士・修羅神狂死郎を三上哲が演じる。今回、物語のキーパーソンの一人、“修羅神狂死郎”役の三上さんにインタビューを行い、作品のこと、役柄のこと、見どころについて語ってもらった。
史実を基にしたオリジナルストーリーに注目
――明治時代初期が舞台となる作品ですが、オファーを受けた時、どんな気持ちでしたか?
お話をいただいたのは3年以上前になります。最初にキャラクターの絵をいくつか見せていただいて、「この白髪のキャラクター(修羅神狂死郎)。すごいなぁ」という感想でした(笑)。それと“修羅神狂死郎”という名前もインパクトがありましたし、面白そうな作品になりそうだなと思いましたね。
――物語の設定、ストーリーも面白いというか、すごく興味深いです。
はい。江戸時代が終わって明治維新があって、新しい時代が始まった頃のお話ですし、それに実在の人物も登場するのでリアリティーがあります。
――岩倉具視、板垣退助など、歴史に教科書にも出てくるような人物たちも序盤から登場しますし。
そうなんです。タイトルにもあるように1874年という年代も出てますし、台本を頂いた時に、「これは本当にあった事件なのかな」と調べたりしました。それで実際にあった事件も描かれていると分かると、より現実味を帯びてくる感じがあってますます興味を持つようになりました。もちろん全てが史実通りではないのかもしれないんですが、でもそういうことがあったんだろうなと思わせてくれるリアリティーがあります。
――歴史的な事件の場面だけじゃなく、普通の町の様子も描かれているので、その時代の空気も感じることができたような気がします。
そういうところもこの作品の魅力かなと思います。明治時代の街並みもリアルに感じられて、割とカラフルだったりしますし、人々の暮らしが見えてきそうというのは自分も感じました。
――“修羅神狂死郎”は復讐のために守屋組に潜入した剣士で、主人公・静馬の剣のライバルでもある人物ですが、三上さんから見た狂死郎はどんな人物ですか?
謎が多い人物なんですが、名前と見た目から“強そう”って思いました(笑)。あと、彼の中には明確な“目的”があるんだと思います。まだ詳しいことは言えないんですが(笑)。主人公の折笠静馬は広い視野で物事を見ている感じがしますが、狂死郎の場合は一点を見据えているような感じがしました。なので、演じる時も彼の“目線”というか、“何を見ているのか”ということを意識していましたね。
ついに放送開始…当時の収録秘話
――最初にお話があったのが3年以上前ということでしたが、アフレコを始めたのはいつ頃でしたか?
2020年ですね。ちょうどコロナ禍で、緊急事態宣言が出た頃だったのでアフレコは個別に行いました。それ以前のように20人とか30人とかで掛け合いのような形で出来なかったのは残念でした。狂死郎は3人従えているんですけど、彼らとも録れなくて。一緒に録りたかったなぁ。今もまだ大人数でのアフレコは出来ないんですけど…。
――個別に録っていくスタイルでの大変さもあったかと思いますが。
スタッフの方が大変だったと思います。バラバラで録っていくので、それぞれのテンション感を合わせていかないと、会話ややり取りがチグハグになってしまいますよね。なので、スタッフの方が「もう少しこういう感じで」というふうにディレクションしてくれて、自分たちはその要求に応えてやっていくという感じでした。