俳優の高橋克典が、1月16日に都内で開催された映画「劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血」(2月16日[金]公開)の完成披露上映会の舞台あいさつに、劇団ひとり、木村了、犬飼貴丈、北原里英、松村沙友理、光岡麦監督と共に登場した。
即興劇が織り成す新感覚ミステリー
同作品は、その場で渡された設定を読み込んで殺人犯を探すという即興力や推理力が試される体験型ゲーム「マーダー・ミステリー」をベースにドラマ化した「マーダー★ミステリー 探偵・班目瑞男の事件簿」シリーズの劇場版。斑目探偵役の劇団ひとり、村城助手役の剛力彩芽をはじめ、キャストが台本無し、筋書き無しの予測不能のミステリードラマを即興で紡ぎあげていく。
「一夜のうちに3人の生贄の血を滴らせると死者が蘇生する」という不気味な伝承が残る鬼灯村で、その伝承を基に「三つ首祭り」という奇妙な鬼祭が行われていた夜、村の長を務める一乗寺家の当主の遺体が発見される。しかし、その日に村へと続く一本道で土砂崩れが発生し、警察が到着するまでにはかなりの時間を要する事態に陥る。事件当時、屋敷にいたのは8人。それぞれ人には言えない秘密を抱えており、全員が殺害の動機を持っていた。
「監督いたっけ?」っていうくらいテンパりまくってた
舞台あいさつに登壇した高橋は、開口一番「私、この作品に関して何一つ記憶がございません!」とあいさつして笑いを誘い、「今日(共演者の)皆さんにお会いして、『あぁ、そんなこともあったな』と断片的に思い出しております」と告白。
また、劇団ひとりから「アドリブなんですけどうまく行き過ぎて、『高橋さん、台本あるでしょ?』って言われたくらい。うまくやり過ぎてアドリブっぽくないんですよ」と絶賛されるも、高橋は「そう? 本当に記憶がないんだよ。さっき取材で『監督はいかがでしたか?』って聞かれたんだけど、『監督いたっけ?』っていうくらい。それくらいテンパりまくってたんだよね」と回顧。
出演オファーを何度も断っていたことを告白「そもそもが無理」
さらに、撮影について「スリルしかない。僕、(出来上がった作品を)実は最初の10分くらいしか見ていないんですよ。10分くらい見ていたら(撮影時を思い出して)具合悪くなってきて。あの時の緊張とか…」と語り、「エチュードとか本当に苦手で、アドリブとかできないんですよ。だから、このお話を頂いた時に『そもそもが無理』と思って何度もお断りして」と打ち明ける。
すると、劇団ひとりから「そうとは思えないくらい現場でノッてましたよ」と言われ、犬飼から「一番アドリブしてたかもしれない」、北原からも「一番やってました! 正直、テストプレイから一番やってました」と暴露される。
そんな共演者たちの物言いに、高橋は「それはおじさんとして責任感というか…」と苦笑しきりだった。
◆取材・文=原田健