「ごめん安達 好きになって」
黒沢は本当に安達のことをよく見ている。職場の飲み会で突然始まった王様ゲームで王様に指名され、キスするように命令される2人。正直、黒沢にとってこれほど美味しい状況はない。けれど、顔を近づけた瞬間に安達が身体を強張らせたのを黒沢は見逃さなかった。
安達の口ではなくおでこに軽く口付けをした後、飲み会を抜ける黒沢。追いかけてきた安達に、「男同士でキスとかさ 普通嫌だよな」と無理につくる黒沢の笑顔が切ない。同僚たちも安達と黒沢が男同士だからという理由で2人にキスを迫ったのだろう。男性と女性ではなくともハラスメントには変わりないが、同性同士なら冗談で済ませられると思っている。誰も、もしどちらかが相手に好意を持っていたら?という考えにも及ばない。
だけど、黒沢は安達のことを真剣に想っていて、時に気持ちが止められず、好意で動いてしまうことを安達に申し訳なく感じている。「ごめん安達 好きになって」という黒沢の心の声に思わず胸がズキっとする安達。しかし、安達が身体を強張らせたのは恋愛経験がないゆえに戸惑ったからであり、黒沢のことが嫌なわけではなかった。
むしろ、安達は柘植に「お前自身が相手のことをどう思っているか 考えた方がいいんじゃないか」と言われてから、黒沢のことを考え続けた結果、嫌なところが一つも見つからなかった。それなのに、まっすぐ相手の気持ちを受け止められないのはやっぱり黒沢が男性だから。その唯一の理由に縛られている安達の心も、黒沢と関わり、彼の人柄を知っていく中で少しずつほぐれていく。
嫌ではなかったという気持ちを正直に伝え、黒沢との関係に一歩踏み出した安達。その瞬間、ペットボトルが床におち、2人の心と心が近付くように水が波紋していく演出がニクイ。2人の関係がこれからどう発展していくのか楽しみになる第2話に、放送後「『好きになってごめん』に胸が苦しくなった」「安達くんの気持ちを優先しつつも、ちょいちょいビースト感出してくる黒沢さん…色気凄い」「ペットボトルの波紋の演出すごく好き」「アニメは原作にほぼ忠実だけど所々ドラマの良いところも取り入れられている」といった感想が呟かれた。
◆文=苫とり子
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