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【漫画】体の不調を無視していたら”初期のがん”だった…心の葛藤を描いた実話漫画に「たくさん悩んでたくさん考えたのですね」の声

2024/01/31 09:00

小林ロクさんの葛藤を描いた実話漫画が深い
小林ロクさんの葛藤を描いた実話漫画が深い画像提供/小林ロクさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、仏教コメディ漫画「ぶっカフェ!」の作者・小林ロクさんの実話漫画「不調を無視し続けてがんに至ったお話」をご紹介。

作者である小林ロクさんが1月1日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、5,000件を超える「いいね」が寄せられた。本記事では小林ロクさんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。

3カ月生理がとまらない…2年半後に判明したこと


作者の小林ロクさんは、生理が3カ月間止まらなかった時期があった。しかし当時の小林ロクさんは”色んな負荷”がかかっている最中だったため、自覚症状がありながらも見過ごしていたという。最初は「これくらいいつものこと」「大丈夫倒れてないから」と自分自身に言い聞かせていたが、友人からの強い声をきっかけに病院へ足を運んだ。

初期の子宮体がんが分かった当日は、診察室にいつもより多くの看護師がいて察したという。病名を告げられた直後はきょとんとしてしまったが、今後”出産をするか否か”を問われ、子どもがいなかった小林ロクさんは自身の心の葛藤を描いた。作品内では「諦める」という言葉にスポットを当て、"「諦める」という言葉は実はネガティブな意味ではない"と解説した。元は仏教が由来で「明らかにする」という意味があるという。悩んだ末に小林ロクさんは答えを出し、療養のため休止していた漫画の連載再開を2024年より目指している。

作品を投稿したX(旧Twitter)には「ご自分を第一で良いと思います」「ずっとずっとお待ちしていました」「たくさん悩んでたくさん考えたのですね」「ここまで漫画を描けるまでに回復されたようで何よりです」「体調が少しでも戻られたようで本当によかった」などの温かいコメントが寄せられている。

「自分はどう見えたかを大切に」作者・小林ロクさんの作品へのこだわりとは

小林ロクさんにインタビュー
小林ロクさんにインタビュー画像提供/小林ロクさん

――「不調を無視し続けてがんに至ったお話」を漫画にした理由があればお教えください。

苦手に挑戦してみたかった、が一番の理由です。作中にもあるように、私は日頃から自分の「本当」の思いを知ること、周りに表現することが苦手です。病気をする以前は特に、周りの事情が優先で自分の本心は二の次、悩みやストレスから離れようと思えばできるのに、無理にでも適応することに囚われていました。この作品は完成まで10カ月ほどかかりましたが、そのほとんどが内面と向き合う期間でした。経験を通して感じたことを素直に誰かに伝える「選択」も、伝えない「選択」もできる。でもあえて「伝える方」を実現できれば、本心を無いものとして扱おうとする自分から一歩変われるかなと思いました。

――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

こだわった点は、終始「自分なりの感想に留める」形で描いたことです。こんな一例もあるから皆さんも不調を無視せず病院に行こう、という啓発目線で言える立場でもないですし、不安を煽る意図もないです。ひとつの体験談に過ぎません。なので、「読む人なりの考えで見てほしい」と思います。感じたことを表現するからには伝えたい主旨をぼかさない努力はしつつも、「皆さんにこう受け取ってほしい」という同調をさせるつもりはありません。漫画を描く時は、見てくださる方一人一人への「問いかけ」だといつも考えています。その時々のそれぞれのお立場によって受け取り方やポイントは変わると思いますので、自分はどう見えたかを大切にしていただければ幸いです。

――本作の中で特に印象に残っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

自分の中の「本当」と対話するシーンでしょうか。実際にがんの治療法を決断する過程で、私は今どう思っていて、どうしたいのか、未来はどんな私でいたいのか、何度も何度も自問しました。これまで無視し続けたせいですっかりわかりづらくなってしまっているんですよね。ですが根気よく対話する内に「本当」の私に戻れた瞬間があったように感じます。

――本作の中で「諦める」の言葉の由来が仏教からきているとお話されていました。仏教コメディ漫画「ぶっカフェ!」でもハッと気付かされるお話がありますが、小林ロクさんご自身の生活にもいかされているのでしょうか。

日常的に思い出すのは「ぶっカフェ!」でも特に反響があった言葉で、「即今(今)当処(ここ)自己(自分)」です。「今この瞬間、この場所で、自分が(なすべきことをやろう)」といった意味です。「未来または過去、どこか違う場所、他人」これらのコントロールできないものを都合良く動かそうと意地になっていたり、逆に、他人の都合良く動いて他人の人生を生きてしまっていないか?そんな自分がいたら、今ここ自分が疎かになってるよ!と切り替えています。「諦める」のように、普段よく使っている言葉が仏教由来ということも多いです。この教えを生活に生かそう!と意識する以前に、既に生活の中に仏教は生きていると「気付かされます」。つまりは今まで「気付いていなかった」ということで、それくらい当たり前のように日常に浸透していて、自分の無意識の中に存在しているのが「教え」なのかなと。

――今後の展望や目標をお教えください。

ふとした時に思い出したり、読み返したくなる作品に憧れるのでそんな作品を作りたいです。あとは「ほどほど」が目標です。もっとがんばらなきゃ!と思う時、「既にがんばっている自分の現状否定」になってしまっている場合が多いです。常に自分に不足を感じて力み続けて、遊び(余裕)がない状態ですね。今後は力をゆるめる時間も大切に、バランスを取って行こうと思います。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

長い間連載再開を待ってくださり、応援のお言葉を頂いたり、本当にありがとうございます。休んでいる間に居場所を失くしてしまうのではないかという焦りもありましたが、作品をお届けできる場所をたくさんの方に守っていただいていると痛感しています。どうしても以前のような執筆ペースには戻れませんが、戻る必要もないと思っています。新しい自分でやっていくつもりです。これからもよろしくお願いいたします。

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

ザテレビジョン マンガ部まとめ

■作者X(旧Twitter):小林ロク[@kbys6uuupaaa]
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  • 小林ロクさんにインタビュー
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