中国のトップ女優ディリラバと、「山河令」で大ブレイクを果たしたゴン・ジュンが共演する話題作「安楽伝」が衛星劇場にて1月23日(火)より日本初放送される。同作は、ゲイリー・シンが総監督を務め、中国の動画サイトの各ドラマランキングで1位を獲得した大ヒットロマンス時代劇だ。復讐を誓うディリラバの繊細な百面相と、それに翻弄されるゴン・ジュン。本記事では、実力派キャストたちが織りなす複雑で緻密なストーリーの見どころに迫っていく。
胸の詰まる複雑な愛憎を描く「安楽伝」
「永遠の桃花 〜三生三世〜」シリーズを始め、「長歌行」「プラチナの恋人たち」などの作品で有名なトップ女優ディリラバと、「山河令」で大ブレイクを果たしたイケメン俳優ゴン・ジュンが初共演を果たした時代劇「安楽伝」。中国の小説「帝皇書」を原作とする同ドラマは、悲劇のヒロイン・帝梓元(ディリラバ)と品行方正な皇太子・韓ヨウ(ゴン・ジュン)が愛憎劇を繰り広げる時代劇だ。
謀反の罪に問われて一族皆殺しの憂き目にあった帝家の帝梓元は、一族の名誉を取り戻すために“任安楽”と名乗って真実を突き止めようと決意する。帝家を謀反の罪で裁いたのはかつての許嫁・韓ヨウの父である嘉昌帝。帝梓元は豪快な女傑・任安楽として韓ヨウに接触し、取り込もうとする。
ここまでならよくある復讐譚のように感じられるが、同作は純情で一途な韓ヨウの存在が“ラブロマンス”の色を濃くする。帝家一族に皆殺しの命令が下るなか帝梓元が生き残れたのは、韓ヨウが「帝梓元を太子妃にする」という太祖の遺詔でもって父を説得したから。以来幽閉され続けた帝梓元と会えないまま月日が過ぎても、韓ヨウの心は一途に彼女を思い続けた。
そんな韓ヨウに「3万の水兵を結納品にするから太子妃にしてくれ」と鮮烈なプロポーズを果たしたのが、女傑・任安楽だ。韓ヨウは任安楽が10年の歳月を経て美しく成長した帝梓元だとは気づかないまま、次第に惹かれてしまう自分に戸惑う。そして帝梓元も、仇敵の息子で利用するだけと割り切っていたはずの心が変化していく…。
「安楽伝」はゴン・ジュンのブレイク作「山河令」のゲイリー・シンが総監督を務めるとあって、公開前から注目を集めていた。中国を代表するトップスター同士の共演、ゴン・ジュンとゲイリー・シン監督2度目のタッグ、さらにディリラバとリウ・ユーニンの共演も「長歌行」から2度目という、まさにヒットを呼ぶチーム編成だったからだ。
期待にたがわず、公開後はYoukuサイト内ドラマランキング24日間連続1位、 猫眼ほか配信ドラマ熱度ランキング1位という結果を残した同作。
そして同作を盛り上げたのは、なんといっても主演2人のオーラ輝くビジュアル。船上を舞うように決めるディリラバの華麗なアクションや、扇を武器にするゴン・ジュンの優雅な仕草といったワンシーンの華やかさもさることながら、鼻筋の通った美形2人が見せた「鼻キス」シーンは、ドラマファンの間でも大きな話題に。
さまざまな顔を持つヒロインと、純情で繊細な皇太子のロマンス。そしてアクション、スリリングな復讐劇を折り混ぜたスピード感あるストーリーは多くの人を“安楽伝中毒”にした。
話題性“だけじゃない”ディリラバとゴン・ジュン
復讐を誓うヒロインであり、恋心に揺れる乙女でもある帝梓元/任安楽を演じたディリラバ。彼女は女優業のみならず歌手、ファッションモデルとして活躍するマルチタレントで、ピアノやバイオリンなどの演奏を学び、学生時代には民族舞踊やバレー、演劇など様々な分野に携わってきたという筋金入りの才媛だ。
2023年にドラマ「阿娜爾罕」で主演を果たし、その後は時代劇・現代劇ともにひっぱりだこに。2021年に公開された「長歌行」では、「第16回ソウルドラマアワード2021」で優秀ドラマ賞と最優秀主演女優賞の2部門でノミネートされるなど、俳優として高い評価を受けた。
特にアクションの華麗さには定評があるディリラバ。しなやかで長い手足から繰り出されるアクションは、任安楽が持つ“女傑”という雰囲気に大きな説得力を持たせる。
対して、純朴な皇太子・韓ヨウを演じたゴン・ジュン。2017年のロマンティックアクションコメディドラマ「盛勢」で主人公を演じて注目され、2020年のネット配信ドラマ「ロマンスの方程式」や「从結婚開始恋愛」でさらに人気と認知度が上昇。そしてなんといっても、ゴン・ジュンといえば「山河令」が欠かせない。記憶に新しい2021年の爆発的大ヒットで、彼を“いま最も旬な俳優”と押し上げた名作だ。
ゴン・ジュンは「山河令」において、アクションとともに“目元の演技”が高い評価を得ていた。言葉以上にさまざまな感情を訴えかけてくる表情の1つひとつは、まさに一流の技。繊細な表現を可能にするゴン・ジュンの演技は、「安楽伝」でさらに輝いている。
10年会えなくても揺るがないほど、強く心に決めた人がいる韓ヨウ。しかしなぜか段々と任安楽に惹かれていってしまう自分に、韓ヨウは戸惑い、悩む。複雑な韓ヨウの“純情で一途な青年像”は、ゴン・ジュンの演技だからこそ完璧に表現できたといっていいだろう。