俳優デビューから40年、唯一無二の存在感を示している小沢仁志。1月25日から公開のアシックスワーキング ショートドラマでは、町工場を営むベテラン職人・正蔵に扮し、寡黙ながらも仕事に向き合う背中を見せている。そんな小沢に俳優という仕事をするうえで大切にしていること聞いた。
61歳で73歳のおじいちゃん役に「俺できるのかな」
――正蔵を演じてみていかがでしたか?
まず73歳のおじいちゃんって書いてあって、俺でできるのかなって思いましたよ(笑)。
――正蔵の真摯に仕事に向き合う職人の姿勢に、外国人がリスペクトするというお話でしたが。
まあニュースでもよくあるよね。外国人が日本の匠の技に見せられて……みたいなのは。でもそういう町工場の技術も、後継者がいないからどんどん手薄になっていく。日本の文化というと大げさかもしれないけれど、仕事としては立派だと思うよね。
――ショートドラマのテーマは「仕事はもっと楽しめる」ですが、小沢さんも40年に渡って俳優業をされていますが、仕事は楽しむものという意識ですか?
楽しまなきゃ、役者なんて仕事やってられないよね。
――でも撮影などは大変なことも多いのではないですか?
俺は全然大変だと思ったことはないね。基本的に非現実的な世界を生きているから。海外で朝から晩までドンパチドンパチ、ドッカンドッカンやっているわけ。スタッフとかはヘロヘロになるけれど、俺は元気。楽しいもん。やっている人間が楽しまなきゃ、観ている人も楽しいわけないだろうし。俺はどんなに大変なことでも楽しむことに関してはスペシャリストだと思う。まあ、一緒にやっている奴らは「二度とやりたくない」って言っている奴らも多いけれどね(笑)。
――なぜ楽しめるのですか?
なんでだろうね。昔から全然寝ないでも平気。撮影は楽しい。まあ、撮影が終わると1週間ぐらい「あしたのジョー」みたいに抜け殻になるけれどね(笑)。