コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、漫画「2.5次元の推しがクラスメイトになりました!?」の作者・つくしろ夕莉さんの「1人になりたいヤンキーが無口な女の子と保健室で過ごす話」をご紹介。
作者であるつくしろ夕莉さんが1月12日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、9,200件を超える「いいね」が寄せられた。本記事ではつくしろ夕莉さんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。
1人のヤンキーが保健室に行くとそこには…
傷だらけの体で保健室に入ってきたのは、学校のヤンキーの大狼(おおがみ)太陽。保健室のベッドで休もうと思っていたが、1人の少女が寝ていたため保健室を出ようとした。すると少女は目を覚まし、太陽を怖がるどころか傷の手当てをしてくれたのだった。少女は非常に無口で、言葉を伝えるときは本に書かれている単語を指さして会話をする。太陽が名前を聞くと、本に挟むしおりを指さして「栞里(しおり)」と名乗った。
栞里は太陽に、自身の宝物だという1冊の絵本を読むようにすすめる。絵本を読んで感動した太陽をきっかけに、ほんの少しだけ距離が縮まった2人。しかし太陽はとあることが原因で他のヤンキーから目を付けられており、日々喧嘩を繰り返していたのだった。
その後も太陽は、傷だらけの姿で保健室の栞里のもとへ戻ってくる。何度も栞里と接していくにつれて太陽の性格は穏やかになっていき、喧嘩によるケガも少なくなっていった。そんなある日、喧嘩相手のヤンキーに栞里の宝物の絵本を取られてしまう。急いで絵本を取り戻しに行く太陽を待ち受けていたものとは…。
本作を投稿したX(旧Twitter)には「ああああ好きです」「かわいすぎる」「素晴らしく尊い」などのコメントが寄せられている。
「小さなやり取りの一つ一つを丁寧に」作者・つくしろ夕莉さんの作品へのこだわり
――「1人になりたいヤンキーが無口な女の子と保健室で過ごす話」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
コミックWACHAにて保健室を舞台にしたラブコメのオムニバスを描くことが決まり、そこで生まれた物語の一つがこの漫画です。メインキャラが毎話変わるのでキャラを沢山作る必要があり、そのため自分の好みのキャラ属性や関係性を洗い出して再確認する中で、特に好みである『ヤンキー属性の男子がちょっと変わった女の子に振り回される』という関係性と当初からぼんやりと描いていた「保健室登校の女の子と誰かが出会って一歩踏み出す話」という構想を掛け合わせて、この話が出来ました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
見てほしいポイントは、二人で過ごすなんでもないような平和な日々です。荒れた学園生活を過ごしていた太陽が喧騒から離れ、物静かな栞里と和やかに過ごすことで少しずつ癒やされている事、また、栞里も喋らない自分を受け入れて側にいてくれる太陽に温かみを感じている事が伝わるよう、小さなやり取りの一つ一つを丁寧に描きました。
――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
最も気に入っているのは、栞里が勇気を出して声を発し、太陽が栞里の手を静かに握り返すシーンです。互いの傷に触れない距離感で過ごしていた二人が、相手を想う気持ちからそれぞれ自分の傷を乗り越えるシーンなので、二人の気持ちが伝わるよう気合を込めて描きました。最後のシーンに出てくる栞里の控えめな「ばか」も、どんどん仲が良くなってきている様子を描くことができたのではないかと気に入っています。
――口数の少ない栞里が声を発したシーンに心を動かされました。漫画を描くときにこだわっていることがあればお教えください。
ありがとうございます!大変嬉しいです!栞里の方言はかなり迷いましたが、自分の出身地でもあり愛着のある広島弁にしました。漫画を描くときにこだわっている点は、表情とテンポです。キャラクターが心を動かされている瞬間が絵で伝わるよう、特にクライマックスの表情には力を入れています。テンポに関しては、会話メインのシーンも退屈せずに読み進められるよう、ボケとツッコミのような軽快なテンポを心がけています。
――今後の展望や目標をお教えください。
描きたいものは山のようにあるのですが、手が追いついておらずネタ帳で燻り続けているので、早く世に出していきたいです。そうして描いていくなかで、もっと沢山の人に深く響く作品を作っていけるよう頑張ります!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
まずはご愛読ありがとうございます!「恋の病とミルフィーユ」は毎話違うキャラクターを軸に話が進みますが、舞台は同じ学校なので他の回のメインキャラも時々出てくるかもしれません。そういったところも楽しみつつ、ぜひ今後も甘酸っぱい青春を見届けて頂けると嬉しいです!