現地時間3月10日(日)にアメリカで授賞式が行われる「第96回アカデミー賞」のノミネート作品が発表され、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」が視覚効果賞にノミネートされた。過去シリーズ2作もノミネートされていたが受賞ならず、今回受賞すればMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)全体含めて初の視覚効果賞獲得となる。そこで「アカデミー賞」授賞式へ向けて、候補作をおさらいしつつ、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」の魅力を紹介しよう。
アカデミー賞「視覚効果賞」とは
元々は「特殊効果賞」という部門名で1939年に設けられ、1963年に「特殊効果賞」と「音響編集賞」に分けられることとなった。「視覚効果賞」になったのは1977年から。映像技術の進歩は早く、1990年代後半、そして2000年代と時代が進むごとに、その進化は加速していっている。それに伴って、2009年までノミネート作品は3作品だったが、2010年から5作品に増枠。それくらいハイレベルな作品が増えたということだろう。
振り返ってみると、1963年のエリザベス・テイラー主演の「クレオパトラ」に始まり、60年代(「特殊効果」「特殊視覚効果賞」という部門名)は人体の中に入っていく「ミクロの決死圏」、スタンリー・キューブリック監督の代表作「2001年宇宙の旅」などが受賞。1970年代後半は「スター・ウォーズ」「スーパーマン」(※特別業績賞/視覚効果)、「エイリアン」と、納得の結果だ。
1980年代に入っても「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」(※特別業績賞/視覚効果)や「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」「E.T.」「エイリアン2」など、映画史に残る名作が受賞している。
1990年代は火星を舞台にした「トータル・リコール」、「トータル〜」と同じくアーノルド・シュワルツェネッガー主演の「ターミネーター2」をはじめ、「ジュラシック・パーク」「タイタニック」「マトリックス」など、映像業界のエポックメイキングとなる作品に賞が与えられている。
2000年代は「ロード・オブ・ザ・リング」三部作、「アバター」など、そして5作品がノミネートされるようになった2010年代以降は、クリストファー・ノーラン監督の「インセプション」、宇宙を舞台にした「ゼロ・グラビティ」「インターステラー」、実写とアニメを融合させた「ジャングル・ブック」、逆行する世界と入り混じる「TENET テネット」、砂や風塵の表現もすさまじい「DUNE/デューン 砂の惑星」、そして2023年は「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」が受賞するなど、「視覚効果賞」は、その時代の最先端技術をうまく取り入れた作品に与えられてきた。
日本からは「ゴジラ-1.0」もノミネートで話題に
今回、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」の他にノミネートされたのは「ザ・クリエイター/創造者」、日本発の「ゴジラ-1.0」、トム・クルーズ主演の人気シリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」、リドリー・スコット監督とホアキン・フェニックスがタッグを組んだ「ナポレオン」と、いずれも最先端技術を用いて製作された話題作ばかり。
その中でも“3度目の正直”で視覚効果賞を狙う「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」は、2014年に第1弾「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」がMCU10作目として劇場公開。銀河一のならずもの集団“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”の活躍を描いた作品で、世界興行収入が7.7億ドル(約880億円)にのぼり、「アイアンマン」や「キャプテン・アメリカ」など、それまでに公開されていたMCUの単独ヒーロー作の記録を塗り替えた。
第1作では銀河中を飛び回るトレジャーハンターの“スター・ロード”ことピーター・クイル(クリス・プラット)、木のヒューマノイドで「私はグルート」しかしゃべれないグルート(ビン・ディーゼル)、アライグマの姿をした賞金稼ぎのロケット(ブラッドリー・クーパー)、緑色の肌とロングヘアが特徴の暗殺者ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)、キルン刑務所で最も恐ろしい囚人として恐れられていた戦士ドラックス(デーブ・バウティスタ)、そんな個性的なキャラクターが集まっていて、そのドタバタ感も含めて、見ればハマってしまう作品として広い層から支持された。第2作ではピーターの父親エゴが登場したり、ガモーラの妹ネビュラ(カレン・ギラン)や、相手の心を読めるマンティス(ポム・クレメンティエフ)といった仲間に加わるキャラクターも登場し、作品の世界観も広がっていった。
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/guardians-of-the-galaxy-vol-3/
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