舞台「モンスター・コールズ」のプレスコール及び初日前会見が2月9日、PARCO劇場にて開催。初日前会見にはキャストの佐藤勝利、山内圭哉のほか、演出のサリー・クックソン氏、原作者のパトリック・ネス氏が登壇した。同舞台は2月10日(土)から3月17日(日)までの期間に上演される。
コロナ禍で中止後、4年の時を経て念願の上演へ
同舞台の原作は、「混沌(カオス)の叫び」三部作で知られるアメリカの作家ネス氏による小説で、2016年に映画化(邦題「怪物はささやく」)されたのち、18年にイギリスのオールド・ヴィック・シアターにて舞台版の初演が行われた。
佐藤は13歳のコナー・オマリー役で主演を務め、山内はイチイの木のモンスターとして出演。演出はイギリス版舞台も手掛けたクックソン氏によるもので、 虚実入り混じる不思議な世界観を、エアリアルやロープワークを多用しながら表現している。
プレスコール後の初日前会見にて、海外のクリエイターたちとの稽古について質問されると、佐藤は「制作が決まってからコロナ禍の影響でイギリスのチームが来日できず、約4年経ちました。いつ上演できるかなと思いながら、その日を待ち望んでいました。2024年の1月の頭から稽古に入り、イギリス文化とのいろいろな違いを感じていましたが、その違いが面白さでもありチャレンジングなことをさせていただいてるなと思いました」とコメント。
続けて、「一番違いに驚いたのは、スタッフのみなさんもすごくアーティスト性を重視しているんじゃないかなと感じ取れたところで、一緒に作るのが楽しかったです。舞台というのは芸術の一つだと改めて思いました。ぼくも一生懸命、この『モンスター・コールズ』というアートの一部になりたいです」と、舞台の芸術性などに触れつつ語った。
佐藤が劇場での恐怖体験を語る「見えた気がした」
物語の内容にちなんで、身の回りで出会った"モンスター"というトークテーマになり、佐藤は「怖い体験になりますけど、劇場に(幽霊などが)よく出るって言うじゃないですか。帝国劇場でのコンサートのときに、舞台袖でそういう話をしてたんです。(霊的なものが)見える先輩がいて『白い女性がいるときあるよ』って(笑)。ぼくもそれを聞いて本番だったので、なんとなくいるんじゃないかと思いながら立ってて。白いベッドの上でフライングしてるときに、パッと右側を見たらなにか白い女性のような、なにかが見えた気がしましたし、体の右側が動かなくなった経験もあります」と、自身の体験談を伝えた。
パルコ劇場は周囲が白いが、佐藤の話を受けて、劇中でモンスターを演じる山内は「良いオバケもいますからね。ここのオバケは良いっていうのもあって、パルコもそうです」と劇場のフォローをしていた。
◆取材・文=後藤響平