映画「夜明けのすべて」の公開記念舞台あいさつが2月10日、都内の映画館にて行われ、W主演を務める松村北斗(SixTONES)と上白石萌音、りょう、光石研、三宅唱監督が登壇した。
松村のひそかな気遣いに上白石は笑いこらえきれず
連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(2021~2022年、NHK総合ほか)で夫婦役を務めた松村と上白石が映画初共演・W主演を果たす本作は、「そして、バトンは渡された」で2019年本屋大賞を受賞した瀬尾まいこの同名小説を三宅監督が映画化したもの。
パニック障害があり無気力に毎日を過ごしている山添孝俊(松村)と、月に一度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる藤沢美紗(上白石)が同僚として交流し、友達や恋人ではないけどお互い最高の理解者になっていく様子が描かれている。
他人を思いやるなどのテーマがあるこの映画にちなみ、日々生活で心掛けている思いやりについて聞かれると、松村は「現場でみんなで移動してるときに、前に段差や下りがあると、後ろの人が会話に熱中していて、段差に気付かないのではと心配になります。なので、段差を下りるときに『うぉっ』とか声を出してたり、わざと膝を曲げて倍沈むようにしてます」と、階段を大げさに下りるジェスチャーを交えながら紹介した。
撮影や舞台あいさつなどで現場をともにしてきた上白石だが、松村に気遣いについて「私は察知できませんでした」と話すと、松村は「僕はシームレスですから。気付かない潜在意識に入り込んでいきますから」と補足。また、上白石は「私が転ばずにいられるのは松村さんのおがげです」と感謝を口にしたが、直後には笑いをこらえきれず爆笑していた。
上白石「監督から卒論のような手紙をいただいた」
舞台あいさつ後半には、三宅監督から両主演にサプライズで手紙が送られた。MCの代読により手紙が読まれ、「最近気付いたのは、松村さんも上白石も本気な人ということです。本気だからこそ丁寧にやるし、本気だからこそユーモアも忘れず、その結果や柔らかくて穏やかな人に見えます。この映画の上白石萌音が素晴らしいのは相手が北村北斗だからであり、逆も然りです」と、本気で映画に向かい合っている2人を称えた。
監督からの手紙を受けて、上白石は「ズルいですよね。ずっとズルいです。監督と初めて会う前に、実は何万文字というお手紙をもらいました。卒論のような手紙をいただいて。そのときから監督に心をつかまされっぱなしで、監督がくださる言葉が好きです。必ず言葉にしてくれる方です」と、振り返った。
◆取材・文=後藤響平
(C)瀬尾まいこ/2024「夜明けのすべて」製作委員会
配給:バンダイナムコフィルムワークス=アスミック・エース
NHKエンタープライズ
発売日: 2022/04/22