コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、桜木きぬさんの漫画「親としてのレベル」をご紹介。
作者である桜木きぬさんが12月12日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、4.6万件を超える「いいね」が寄せられた。本記事では桜木きぬさんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。
高校時代の授業中、教師に感じた思いとは…
作者である桜木きぬさんの高校時代、授業中に先生が「私は親としてたいしたことはできなくて、子どもたちを飢えさせずに成人させるので精一杯でした」と話した。そのとき、当時の桜木さんは「親としてのレベル低すぎ」と感じたという。
しかし20年後の桜木さんは「実際に子育てに追われており、365日3食食べさせることの大変さを思い知った」と語った。さらに「食べること以外にも、あの時してもらって当たり前だと思っていた衣食住の世話や学用品の準備」や、食料品や衣類の値上げ・突然体調を崩すことなどにも大変さを感じているという。
桜木さんは当時の自分を思い出しながら「そんな最低限のことでヒーヒー言ってないで、もっと精神的に支えるとか学びを与えるとかしなよ」と言われているようで、現在の自分の心に突き刺さる思いだったそうだ。そして「あの頃低いと思っていたハードルのなんと高いことか」「先生ごめん…先生は充分立派でした」「私もなんとか飢えさせずに子どもを成人させたいと思います」と締めくくった。
作品を投稿したX(旧Twitter)には「今、親になって実感してる。両親に感謝です」「レベルを語れるほどすごい人間じゃないと色んな側面で気づかされる」「当たり前をいつも提供ってすごいことなんよね」「子供が子供でいていいって幸せな事」などのコメントが寄せられている。
「私の人生においてはわりと大きな気づきだった」作者・桜木きぬさんが作品を描いたきっかけとは
――「親としてのレベル」を漫画にしたきっかけや理由があればお教えください。
子どもを育てはじめて14年ちょっとの間、折にふれて冒頭の家庭科の先生の言葉と、それに対する私のふてぶてしい態度を思い出していました。「普通」に子どもを育てるのが実はものすごく大変だという事は、私の人生においてはわりと大きな気づきだったので描き記しておこうかなと思いました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
過去の私の態度について反省している旨が伝わるといいなと思いました。反省してます。
――本作の中で特に印象に残っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
高校生の私のふてぶてしい態度ですね。親の心子知らずを絵にかいたような子どもです。
――本作をはじめ、実体験や子育てをテーマにした作品を多く描いていらっしゃいます。漫画の元となるネタについて、普段から意識をされているのでしょうか。
友達との世間話感覚で「ちょっと聞いて~」という出来事が起きたらそれを描いています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつものささいな日常のマンガも描きつつ、2024年は新しいエッセイマンガに挑戦中です。描けたらXで報告するので読んでもらえると嬉しいです。