伊藤淳史が主演を務める「離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―」(毎週土曜夜11:30-0:00、テレビ朝日系)の第5話が2月17日に放送。小池徹平演じる司馬マサトについて掘り下げられるとともに、相変わらず刺激的な不倫妻とのプレーが話題になった。(以下、作品のネタバレを含みます)
「離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―」とは
同作は、大竹玲二による人気漫画「離婚しない男」(講談社ヤングマガジンKC)を原作に、3月31日(日)をもって放送作家業・脚本業からの引退を発表している鈴木おさむが脚本を担当。妻の不倫に気付かぬ振りをしながら不倫の証拠を日々収集し、父親が親権を獲得するという困難な壁に立ち向かう男の姿を描くリコン・ブラックコメディーだ。
伊藤が演じるのは、妻の不倫を目撃し離婚を決意する大手新聞社の社会部エース記者・岡谷渉。そして、渉の妻・綾香(篠田麻里子)と不倫を繰り返す芸能事務所のチーフマネジャー・司馬マサトを小池が、渉とバディを組んで綾香の不倫の証拠集めにまい進する探偵・三砂裕を佐藤大樹が、親権事案において日本有数の解決実績を誇る敏腕弁護士・財田トキ子を水野美紀が演じる。
司馬が渉を苦しめる理由
前回のラストで渉とあえて接触を図った司馬。間男としては非常に大胆な行動だが、それには理由があるらしい。
司馬は散歩がてら、娘・心寧(磯村アメリ)に可能性を感じてアメリカ留学を勧めていることなどを渉に話す。もちろん綾香から聞いていなかった渉は、大いに焦った。財田から養育実績を“最低1年”積まなければならないと言われているため、アメリカへの留学は親権を獲得した上での離婚に大きな障りとなるのだ。
戸惑い、勝手に娘の将来を決めようとしている間男・司馬に怒りを感じる渉。しかも、司馬は綾香から渉について「ダメ亭主」「役立たず」「働くしかない男」「バカのセックス下手」と愚痴られていると言い募る。「あんな男と結婚するんじゃなかった」とまで言われていたことを間男から告げ口された渉は、思わず拳を振り上げた。
だが、拳を振り下ろした先は渉の胸。怒りのあまりまた体を痛めた渉だったが、司馬には冷静に「それは、俺が反省しなきゃいけませんね」「それでも、綾香を愛しています。綾香の愚痴を聞いてくれて、ありがとうございました」と笑顔すら見せる。
実は、このやり取りは財田の指示で録音されていた。わざと怒らせようと仕向けている司馬の誘いに乗らず、挑発的なやり取りを入手することに成功した渉。作成は一歩ずつ着実に、前へ進んでいるというわけだ。
一方で渉とのやり取りの中で、少しずつ司馬の過去が明らかに。回想の形で思い出されるのは、司馬が3244日前に綾香と2人でいる渉を見つけたシーン。偶然にも道で2人が結婚情報誌を手に並んでいる姿を見つけ、司馬は爪をかみながら写真を撮り、「お前だけ幸せになっていいのかな~!」と血を吐くようにつぶやいた。
さらに別のシーンでは、学生時代に渉と直接言葉を交わしている場面も登場する。その頃の司馬は今と似ても似つかない、朴訥な顔立ち。彼は渉に請われて勉強を教え、渉の大学受験を助けた。しかし、自分は家庭の事情で進学を諦め、喜ぶ渉を遠目に見つめるのみ…。
さらに、両親の離婚、母親の自殺まで絡んだことで、司馬の目は明らかに色が変わっていた。自分は勉強を教える立場だったにもかかわらず不幸に見舞われ続け、片や順風満帆な人生を歩む渉がまぶしく見えたのかもしれない。心が弱っている司馬にとって、将来に希望を抱いて笑う渉がどれほど歪んで見えたのかは想像もつかない。