コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ビッグコミックで連載され「読み返す度に涙が出る」と話題の人気作品「フォルトゥーナ」(小学館)をピックアップ。
作者の神羊弱虫さんが1月30日にX(旧Twitter)で同作の第1話を投稿。そのツイートには合わせて6500以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では神羊弱虫さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。
“悪魔の子”と呼ばれたフォルトゥーナ
これは、“醜い容姿”を理由にあらゆる罵声を受け、母親にも捨てられたフォルトゥーナが死ぬまでの物語…。
人間に“悪魔の子”と恐れられていたフォルトゥーナは、狼のルフとグラルと共に、森の奥で暮らしていた。しかし、ある日事件が起こる。グラルが人間によって殺されてしまったのだ。
怒ったフォルトゥーナは“狩り”を始めると決意。森に来た男3人を刃物で切り殺し、動物たちに食べさせた。無事に復讐を遂げ、高笑いをしていると…。
男たちが持ってきたであろう袋の中で、何かが動いているのを発見する。中を開けてみると、そこには“盲目の少女”が入っていた。
この少女との出会いが、フォルトゥーナの心情に変化を来していく…。
“醜い容姿”を理由にあらゆる罵声を受けてきた少年が“盲目の少女”と出会う物語に、読者からは「感動系」「フルで読んだら泣いちゃうかも」「めちゃくちゃいい漫画」「心にじんわりくる」など、多くのコメントが寄せられている。
「ボロ泣きしながら…」作者・神羊弱虫さんが語る創作秘話
――「フォルトゥーナ」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
連載ネームでなかなか良いのが出来なくて「もうすぐ死ぬとしたら最後にどんなものが作りたいだろうか?」と自分に問うたのがきっかけです。あとは、忘れたくない事をいつか自分が忘れてしまった時に、これを読めば思い出せるように描き残しておきたかったからです。
――躍動感あふれるアクション描写やフォルトゥーナの悲しげな表情が印象的でしたが、本作を描くうえでこだわった点があればお教えください。
遺書を書くつもりで作ったので、「面白いものを作りたい」と言うよりは「メッセージを遺したい」という思いが強く、そのメッセージを読んでもらう為に「なるべく面白くしないといけないな」と思って自分なりに出来るだけ感情を誇張して、ストーリーも起承転結と緊張と緩和を意識してアクションシーンも頑張って描きました。
――本作の中で特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
8話の最後ら辺の一連のシーンです。自分の中でいろいろ重なる思いがあってボロ泣きしながら描きました。
――「心が揺さぶられた」「めちゃくちゃいい漫画」など大きな反響がありましたが、コメントを読んだ時のお気持ちをお教えください。
とても嬉しいし、ありがたいです!
――本作を通じて伝えたいメッセージがあればお教えください。
沢山ありますが何個か挙げると「結局人は死ぬから人生を深刻に捉えるのをやめて今を愛そう」というのと「怒るという事の精神的未熟さ」「自分の無知を自覚せず、良し悪しを断ずる事の愚かさ」「世界や自分自身に対して愛と感謝を忘れた人から精神的に病んでいく事」逆に「世界や自分自身に愛と感謝を以て接する事ができれば徐々に既にそこら中に在った恵みと幸せに気付けるようになる」という事です。
――今後の展望や目標をお教えください。
漫画を描いてそのお金で食べていく事です。
――最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いいたします。
ありがとうございます!何かハプニングがない限りこれからも漫画を描くので期待せずに見守ってくれたら嬉しいです。