幾田りら、あのが2月26日に都内で開催されたアニメーション映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」前章の完成披露試写会に登場。原作者の浅野いにおと共に舞台あいさつを行い、W主演を務めた今作でのアフレコについてや、主題歌への思いをそれぞれ語った。
「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」とは
「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」(通称:デデデデ)は、2014年に連載が開始し、2022年春にコミック全12集で完結した浅野の同名漫画が原作。突如“侵略者”と呼ばれる存在に脅かされることになった世界で、一見普通だが何かが決定的に変わってしまった日常を送り続ける少女たちを中心とした物語だ。浅野の作品がアニメ映画化されるのはこれが初めてとなる。
ごくごく普通の女子高校生・小山門出の声を担当する幾田は、これが2度目の声優挑戦となるが浅野からのオファーで出演が決まったそうで「私が前回初めて声優をやらせていただいて、その作品を見て私の声が『門出にぴったりだ』と言ってくださって。初めてお会いした時も『私(幾田)の演じる門出がそのままみんなの門出になるからこのままやってください』と言ってくださって。すごく緊張感と責任感もあったんですけど、その言葉を信じてしっかり臨もうという感じでやっていました」と、オファーを受けた当時のことを回顧。
一方、ハイパー&ポップな門出の親友“おんたん”こと中川凰蘭の声を担当するあのは今回初めての声優挑戦だが、以前から声優業に興味を抱いていたそう。「(声優について)あんま詳しいことは分からないし、勉強していたとかは1mmもないけど、『声が特徴ある』って言われることが多くて、何となく興味あるみたいな感じだったので、こんなに早くお話を頂けて良かったです」と、率直な感想を語った。
原作の浅野は声優の配役オーディション、キャスティングにも携わっているが、あの演じるおんたんについてはオーディションで決定したそうで「テストをしてもらう時に現場の雰囲気が一変するような感じがあったので、僕の中ではその段階で確定という感じだったんです。実際それで決まりました」と、浅野の中では即決だったことを告白。
浅野の“懇願”で幾田が門出に
門出役については、おんたん=あのの決定後に決まったそうで、浅野は「普通の女の子である門出役だから最初はそんなに人選難しくないのかなって思ったんですけど、普通でありながらあのちゃんの横に並んでバランスがいい人って誰なんだろうって1回暗礁に乗り上げたんです。その中でプロデューサーさんから幾田さんの名前を出してもらって、言われてみるとこの組み合わせ以上のものはない、と。『原作者がどうしてもと懇願しています』と申し添えを付けてお願いして、快諾していただきました」と、絶妙なバランス感のある2人のキャスティングの経緯を明かした。
また、2人は前章・後章それぞれで主題歌コラボも実施。前章主題歌となるano feat.幾田りら「絶絶絶絶対聖域」が3月20日(水)に、後章主題歌となる幾田りら feat. ano「青春謳歌」が4月17日(水)にそれぞれCDとしてリリースされることも決まった。
主題歌の制作について、前章担当のあのは「feat.幾田りらということもあって、普段やられているアーティスト活動ではあまり聴けない歌声、ワードが聴きたいなと。僕は結構普段シャウトとかデスボ(イス)を使うのが好きで、それを幾田りらにやらせたい!と思ってからの、(作編曲の)凛として時雨のTKさんにお願いさせていただいて。相乗効果でまた新しいものができるんじゃないかなと」と、経緯を紹介。
続けて「やっぱり後章につながっていくものでもあるということで、歌詞も今までにないぐらい真剣に…。いつも真剣ではあるんですけど(笑)。寝る時間も削って白目をむきながら書いたんで、すっごい思い入れがあって、これから映画と共に聴いてもらえるのが楽しみ。“ワル幾田りら”を引き出したいなというのでやってもらいました」と幾田とのコラボに懸けた思いを打ち明け、幾田もほほ笑みながら「ワル幾田りらになりました」と返しつつ、「初めてシャウトをやらせていただきました。こういう機会がないときっとできなかったことなので、あのちゃんだったり、TKさんに感謝しています」と、新たな一面を見せられたことを喜んだ。
なお、2曲ともCDジャケット写真は浅野が描き下ろしたイラストとなっている。
映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」は3月22日(金)に前章、4月19日(金)に後章が劇場公開される。
◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENTLLC)