水上恒司と木村昴が、3月14日に都内で開催されたテレビ朝日開局65周年記念「MUCA展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウズまで~」プレスセッションに参加。ドイツから来日したMUCA創設者のクリスチャン・ウッツ氏と共に、アーバンアート(都市空間で発達した視覚芸術で公共の場所にアートを描くこと)の魅力などについてトークを繰り広げた。
「MUCA展」とは
「MUCA展」は、ヨーロッパで人気のアーバンアートと現代アートに特化した美術館「Museum of Urban and Contemporary Art」(MUCA)が所蔵するコレクションを紹介する展覧会。世界的な人気を博すバンクシーによる日本初上陸の大型彫刻作品や、カウズの代表作が登場する他、アーバンアートを牽引する国際的に著名なアーティストのインベーダー、JR、ヴィルズ、シェパード・フェアリー、バリー・マッギー、スウーン、オス・ジェメオス、リチャード・ハンブルトンらのさまざまな作品も展示される。
「MUCA展」で音声ガイドを担当する木村は、声優や俳優、ミュージシャンとして活動するかたわら近年はスプレーアートも手掛けるなど多才。今回のテーマである“アーバンアート”について聞かれると「アートにすごく興味があって、ちょうどここ数年スプレーアートをやるようになって耳にするようになりました。(アーバンアートを)知ったのは近頃なんですけど、興味がありますし、どんどん見ていきたいなと思っています」と目を輝かせて答える。
結果的に興味のある分野の音声ガイドを務めることになったということで、「こんなことを言っちゃなんですけど、最高のお仕事でしたね」と笑顔を見せた。
一方、アーバンアートについては知らなかったという「MUCA展」東京会場公式アンバサダー・水上は、「MUCA展」の作品を見て「アートって面白いなとより思いました」とした上で、印象に残った作品については「バンクシーとかカウズもそうですし、僕の世代の若者たちが目にすることが多い作品がある中で、僕は『チャージ』(リチャード・ハンブルトン)という馬のような絵が印象的でしたね」と語る。
続けて「MUCA展に出ているアーティストのほとんどは政治だったり、その時代のいろんなものに対するメッセージをちゃんと体に宿して表現している部分が、(鑑賞する人の)心を打つものがきっとあるんでしょうし、日本の芸能界でそういったことを言っていくと『過激な!』ってなっていくからこそ、アーティストとして何も臆することなく、恐れなく、時代に対してちゃんと提示していくという姿がすごく好きですね」と熱い思いを伝えると、木村から「覆面アーティストとかやったらいいじゃん」というまさかの提案が。
水上「顔がバレていないのが本当にいいなって…」
それを受け、覆面アーティストとして世界的に有名なバンクシーを引き合いに出し、水上は「やれますかね? バンクシーって顔がバレていないのが本当にいいなって思うんですよね」と満更でもない様子で返すと、木村は「いいじゃん、みんなに内緒で始めちゃえ!」と後押しし、クリスチャン氏からも「もう既に名前を伏せてやっていらっしゃるかもしれませんよね」とジョーク交じりに声をかけられ、水上はたじたじになっていた。
最後に木村は「せっかく今回アート・美術の世界の門戸を広げてくださったわけですから、ちょっと美術館に行くのは気が向かないなという人でも、一度来てみると面白い発見があるかもしれない。難しく考えず、六本木に来たついでに立ち寄ってみるのがいいのかも。来たらマジで考えが変わるというか、来て良かったなと思える場所だと思うので、アートに触れる一つのチャンスとしてこの場を使ってもらえたら。そして近くで見るのをオススメします!でも、触らないでくださいね!」としっかり鑑賞する上での注意喚起も交えながら、来場を呼び掛けた。
テレビ朝日開局65周年記念「MUCA展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウズまで~」は、3月15日(金)から6月2日(日)まで東京・森アーツセンターギャラリーで開催される。
◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)