ドラマと映画を区別しているつもりは毛頭ないんです
──岩井監督は今後、テレビでこんなことをやってみたいというアイデアはありますか?
「ドキュメンタリーは撮ってみたいですね。ドキュメンタリーって、テレビでこそやる意味があるジャンルかなという気がするので。ただ、ドラマに関していえば、僕は映画と区別しているつもりは毛頭なくて。『リップヴァンウィンクルの花嫁』も映画版、ドラマ版とありますけど、われわれ作っている側からすると、全く違いはないですから。そういう意味では、『打ち上げ花火―』をやっているころから大して進化していないのかもしれない(笑)。ともあれ、20代のころみたいにドラマを量産するのはもう無理でしょうね。先日、『打ち上げ花火―』のメイキング映像をチラッと見る機会があったんですけど、自分の動きが今より全然早いんですよ。早送りで見ているみたいに、ものすごいスピードで演出をつけていて。だから当時はあんなにたくさんのドラマを撮れていたんだなと妙に納得してしまいました。今あのスピードでやったら、きっと倒れちゃうと思いますね(笑)」