「TVerアワード2023」が発表になりましたね。どれも「なるほど!」となる番組ばかりですが、私が特におすすめしたいのはこの3つです。
『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ)
ドラマ大賞となった「あなたがしてくれなくても」、初回放送後すぐに、友人たちとの間で話題になりました。みんな口々に「すごくおもしろい、でもあれはリビングのテレビでは見られない」「家族がいない時に、こっそりTVerで見てる」と……わかるー!ひとりで見たい、そしてそのあとで誰かとしゃべりたくなるドラマでしたよね。
夫がいながら、会社の同僚に惹かれていく、主人公のみち。そんなあやうい役なのに女性たちから反感を持たれず、逆に支持されていたのは、演じた奈緒さんの持つ透明感・清潔感のせいかもしれません。恋するときめきと戸惑い、後ろめたさ、そしてセックスレスの悩みもとてもリアルで、彼女を応援せざるを得ない。夫の陽ちゃん、恋した相手の新名さん、その妻の楓さんのそれぞれの苦悩と秘密が絡まり合ってどうなるのかまったくわからず、最後までずっとドキドキしながら見てました。
『VIVANT』(TBS)
第5話の配信開始後8日間再生数がドラマエピソード1位で、特別賞となったのは「VIVANT」。最初の広大な砂漠をさまよう堺雅人さんのシーン、あれをよくできたCGだと思ってたら海外ロケでの実写だったことに驚き、戦車もラクダも出てくるスケールにまた驚き、ストーリーのおもしろさに夢中になり……とても楽しい3ヶ月でした。キャラクターも全員魅力的で、最後まで敵か味方かわからないのもよかった。堺雅人さんが「かわいい」「クール」「残忍」「せつない」「でもやっぱりかわいい」まで、いろんな顔を見せてくれたのが個人的に楽しかったです。
そしてあとになって「実はあの時撃ってました」「あの時こっそり仕掛けていました」という話が出てくるので、「え、もう一回見直してみよう」って何度も過去回を見てしまうドラマでした。
『まつもtoなかい』(フジテレビ)
特別賞、もうひとつは「まつもtoなかい」。初回の配信開始後8日間再生数が、バラエティで一位だったそう。あの初回、まさか香取慎吾さんが出るとは思わなかったし、トーク内容も驚きと感動の連続で、ラストのお客さんの前に3人が現れた時はちょっともらい泣きもしてしまいました。ゲストと司会とのトークで不思議な化学反応のようなことが起きる、毎回どうなるかわからない感じがスリリングな番組ですね。
■文・イラスト/渡辺裕子