死を禁じる迷宮にかけられた呪い
「ダンジョン飯」は、“食”という一点から生物の生態系、生命の循環、生と死へと、自然な流れでテーマを広げているのがとても上手い。こうした現実的な世界観のもとに生と死を描くことで、非現実的な“復活の魔法”を世界観に取り入れて、生と死にまつわる1つのストーリーラインを形成している。それが、中盤から物語に食い込んできた迷宮にかけられた呪いだ。
ファリンが炎竜に食われたことから始まったライオスたちの迷宮攻略。たびたび命の危険はあったものの、死が絶望的な意味を持つかというと、決してそうではなかった。ヒトに限り、迷宮内では条件さえ整っていれば蘇生ができるため、ナマリなどはタンス爺さんに盾にされ、あっさり死んでは蘇生されていたほどだ。かつて黄金の国だった迷宮にかけられた、この“ヒトの死を禁じる”呪い。おそらく狂乱の魔術師によるものだというのは断片的に語られてきた。第13話では、今まで正体不明だったこの狂乱の魔術師がライオスたちの前に姿を現した。
狂乱の魔術師はどうやらライオスたちを王国の財宝を盗みに来た盗賊だと認識したようだが、分からないのは彼が国王や国を守るかのような言動をしていることだ。炎竜には国王デルガルの捜索を命じており、通常ならばあまり動き回らないはずの炎竜が不眠で行動していたのも、この命令によることだったらしい。ただ、第1話で語られたように、その国王は狂乱の魔術師の討伐を願い、塵(ちり)となって消えている。王国と狂乱の魔術師の関係。迷宮にかけた呪いの目的。そもそも狂乱の魔術師とは何者なのか。この辺りの謎は、第2シーズンの中で解き明かされていくことになりそうだ。
ファリンに降りかかる残酷な生と死の物語
そして今話、ライオスたちにとって重大な事態となったのが、ファリンと再び引き離されてしまったことだ。蘇生されてからというもの、ファリンにはおかしな魔力のあふれが起こっていた。おそらく炎竜の血肉を糧に蘇生させたことに原因があるのだろう。しかも炎竜の意識はファリンの中に残っているようで、主である狂乱の魔術師はファリンを炎竜として呼び、新しい姿を与える。それがどんな姿なのは明らかにはならなかったが、炎竜の血肉に取り込まれていく様子は不吉な予感を禁じ得ない。これはファリンに降りかかる残酷な生と死の物語でもあった。
一方、強力な古代魔術を操る狂乱の魔術師に追い詰められたライオスたちは謎のゴーストたちに助けられ、脱出できた先はオークの隠れ集落だった。オークから狂乱の魔術師の恐ろしさを伝え聞いたチルチャック(CV.泊明日菜)は、すぐに地上に戻ることを考える。口では薄情なことを言うものの、オークが見抜いたように、本音は仲間を死なせたくないからだ。その気持ちはファリンを助けに行こうと焦るライオスを冷静にさせ、地上への帰還を了承させた。
思いもよらない出来事が起こり、コメディー路線から一転ハードな気配になってきた第1シーズン後半戦。ファリンを取り戻すには狂乱の魔術師との攻防が焦点になってきそうだが、第2シーズンでは一体どんな展開を見せるのか。テーマである“食”が、今後はどのよう形で絡んでくるのかも興味がつきないところだ。
■文/鈴木康道
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