コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、バニラ芭蕉さんが描く『後輩を死神から守る話』をピックアップ。
2024年2月24日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、5000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、バニラ芭蕉さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
背後にいる死神を見たら死んでしまう後輩を守るため、先輩が奮闘する
先輩が仲の良い後輩と話していると、見えてしまった。後輩の背後にいる死神が…!
後輩に死神が取り憑いているようだ。そして、先輩に向かって死神が「もしかして見えてる?」と話しかけてきた。死神が見える人はたまにいるらしい。死神の話によると、取り憑かれた人間は自分(死神)を見た瞬間に死んでしまうそうだ。しかし、見られる前に“この人間は魂の回収に向いていない”と判断した場合には諦めて帰るという。大切な後輩を救いたい先輩は死神に諦めてもらうため、後輩に様々な質問を投げかけながら魂が奪われるのに向いていない理由を探し始める。
学校のテストの成績、スタイル、恋愛事情など…色々な質問に対する後輩の回答で、いかに魂の価値が低いかを死神に訴えた。そして、最終的に死神は後輩の魂回収を諦めたのだ。
このやりとりの間、先輩は死神と後輩の両方と会話を続けていた。そして、後輩には死神がいることを知られてはいけないため、“あくまで後輩とだけ会話している”風を装わなくてはなかった。そのため、漫画ではまるで“すれ違いコント”のような面白い会話を楽しむことができる。本作を読んだ読者からも、「会話の組み立てがうまい!」「会話のセンスが凄い。」などの反響が寄せられている。結末にはさらに衝撃の展開が待っているので、ぜひ漫画を読んで確かめてみてほしい。
作者・バニラ芭蕉さん「最初からすれ違わせよう!というよりは…」
――『後輩を死神から守る話』を創作したきっかけや理由などをお教えください。
元々4ページ程度のオリジナル漫画は継続的に描き続けたいと思っているのですが、近頃忙しくてあまり描けておらず、久しぶりにまとまった時間ができたので、少し長めのものでないと描けない話を描こう、と思ったのがきっかけでした。
――本作のようにすれ違い系のお話は、同時に2人との会話を成立させなければならず、大変そうに感じられるのですが、創作している中で苦労したことや逆に楽しかったことなどがありましたらお教えください。
本作のようなすれ違い系は、自分は割とスムーズに描ける方だと思っているので、あまり苦労はしておらず、楽しみながら描いてます。最初からすれ違わせよう!というよりは、返事を先に考えて、それに繋がるセリフを考える、というような……
とはいえ、他の方が描いたすれ違いやミスリードの話を読むと、自分ではまだまだだな、と感じるので、もう少し上手に表現できるようになりたいです。
――お話の中で、特にお気に入りのシーンやセリフがありましたら、理由と共にお教えください。
10ページ目あたりが特にお気に入りです。前半はどうしても読者の方に状況を把握してもらう必要があるため、後輩のセリフの量やコマの密度に気をつけていたのですが、後半は慣れてくれてると信じて好き勝手に描いていたので、かなり楽しかった記憶と共に読み返せています。
――バニラ芭蕉さんの作品は、今作のように“生きている風に描かれているが、実は死んでいた”というものや“冗談で言ったことが全部本当になってしまう”など、ちょっと不思議な世界のストーリーが複数描かれています。普段、どのように着想を得ているのでしょうか?
あまり深くものを考えないようにしています。1から綺麗に考えよう!というよりも、ボーッとセリフを考えて、散らかったものをなんとか理路整然となるように引き戻す……という方が近いイメージです。
とはいえ、同じパターンのものが増えてきて、最近は読者の方にもすぐにバレてしまうので、そろそろきちんと頭を使いながら考える漫画も描いてみたいと思ってます。
――今後の展望・目標をお教えください。
上でも答えたように、どうしても話のパターンが被りがちになってきたので、他の方の作品などにも目を通して、自分のかける幅を増やしていければと思っています。フリーランスで人と会う機会も少ないため、街に出て人と話す機会も大切にしたいです。
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
いつも応援してくださりありがとうございます!応援してて良かったと思ってもらえるよう、これからもより良いものを描けるようにがんばります。よろしくお願いします!