それぞれの「卒業後の進路」も大きなテーマに
3年のクラス分けで、久美子は3組。3組には加藤葉月(CV:朝井彩加)や川島緑輝(CV:豊田萌絵)をはじめ、多くの吹奏楽部員が集まっており、担任は吹奏楽部の顧問である松本美知恵(CV:久川綾)だった。美知恵は生徒たちに向けて「自分が何者か そして何者でありたいのか きちんと考えてほしい」と、3年生としての自覚を促すのだった。
アニメ3期では久美子たちの高校生活最後の1年が描かれるため、それぞれの「卒業後の進路」についても触れられている。麗奈がプロのトランペット奏者を目指していることはすでに周知の事実だが、はたして久美子はどんな進路を選択するのだろうか? まだ物語は始まったばかりだが、そんなところもぜひ注目しておきたい。また部室で3年生と2年生が交流するシーンでは、久石奏(CV:雨宮天)たち2年生が多数登場する。TVシリーズ第2期は久美子たちが2年生に進級するまでを描いており、そこから1年間の出来事は2本の劇場上映作品(「劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜」「特別編 響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜」)で公開されているため、じつは奏たちがTVシリーズに登場するのは今回が初めてのこと。TVシリーズだけをチェックしている視聴者からすると、まるっと1年分の時間が飛んでいると感じるかもしれないが、この部室でのわちゃわちゃシーンを見ればおおよそのキャラクター性や関係性がつかめるように作られているのも嬉しい点だ。もちろんより深く「久美子2年生編」を知りたいということであれば、今からでも配信などでチェックしてほしい。
新キャラも続々登場で反響多数
新1年生の勧誘が始まった。久美子の属する低音パートは毎年人集めに苦労しているが、今年は4人の見学希望者が集まり、低音パートの部員たちは色めき立つ。一方で、トランペットは30人以上が集まるなど、やはり人気の差は歴然。こうして新1年生を加えた吹奏楽部は、最終的に総勢90名という大所帯となった。トランペットに代表される高音パートは華やかなイメージがあって人気なのに対し、地味な低音パートはなかなか人が集まらないなど、吹奏楽部あるあるが詰まっているのもこの作品の魅力のひとつだろう。
新1年生を含めた吹奏楽部の部員たちが音楽室に集まると、久美子が今年の目標を問いかける。大会の成績にこだわらず楽しく活動するのか、それとも全国大会金賞を目指して全力で臨むのか。部員たちの出した答えは、満場一致で「全国大会金賞」だった。
約8年ぶりとなるTVシリーズだけに、第1話はキャラクターのお披露目と関係性が分かりやすく作られている。なかでもシリーズを通じての柱とも言える久美子と麗奈の関係性は随所に散りばめられており、年月を経てより強まったふたりの結び付きが感じられる。SNSでは「やっぱり久美子と麗奈のやりとりが1番いいね」、「イチャイチャしやがって!!(褒め言葉)」など、ふたりが醸し出す空気感に癒されるコメントが多かった。一方、新キャラクターにも注目だ。釜屋すずめ(CV:夏川椎菜)たち新1年生4人の濃ゆいキャラクター性は上級生たちにも引けをとらないレベルで、今後の活躍が楽しみだ。さらにラストシーンで登場した黒江真由(CV:戸松遥)は、第3期を通じてキーとなる重要人物。それがどんな意味をもつのかは、久美子のお決まりのセリフ「そして次の曲が始まるのです」の不穏なニュアンスからヒシヒシと伝わってくる。SNSでも「波乱の幕開けか?」など戦々恐々の声があがっていた。ちなみに真由が吹いていた曲は「ムーンライト・セレナーデ」。スウィング・ジャズのスタンダードナンバーで、吹奏楽曲としても人気の楽曲だ。かくして、久美子たちの最後の1年がついに動き出した。次回の第二回は4月14日(日)放送予定。期待して待とう!
■文/岡本大介
▼ABEMAで「響け!ユーフォニアム3」を見る
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