原作者の収録立ち合いも、「風通しのいい作品づくりができているなあと感じています(瀬戸)」
――収録には、原作者の松本直也先生が立ち会われたとのことで、何か先生とのやりとりなどで印象に残っていることはありますか?
福西:今でもはっきりと思い出せるのですが、第1話の収録が終わったときに、松本先生に「カフカ、そのままでした」とお声かけをいただきまして!
加藤:うれしいね~。
福西:本当、それ以上にうれしいことはないと言いますか…。キャラクターの生みの親ともなる方に温かい言葉をかけていただけるなんて、声優のお仕事をしているうえで何事にも変えがたい幸せですね。その言葉のおかげで、2話以降、「自信を持って表現しよう!」と、より胸を張って収録に挑めるようになりました。
瀬戸:福西さんがおっしゃったように、「先生が直に見てくださっている中でオーケーが出たということは…」という安心感は非常にありますね。また、アフレコブースから先生や監督、ディレクターさんなど現場の方々がこまめに相談し合っているのをみても、風通しのいい作品づくりができているなあと感じています。
加藤:個人的に先生とのやりとりで印象的だったのは、僕が演じるレノについてお話し合えたことですね。収録の時点では、まだレノのバックボーンは明らかになっていなくて、想像で臨んでいたんです。アニメの台本の余白に、自分なりにレノを分析したものを書き連ねていて(笑)。それを恐れ多くも先生に見ていただく機会があって、解釈は完全一致ではなかったけれども、軸がブレない程度に同じだったことで「考えてきたことが報われた」と自信にもつながりました。とにかく先生とディスカッションできた時間も幸せでしたし、作品づくりに対して建設的な行動ができているなという心持ちでいられたのも、その場に先生がいらしてくださったからこそだと感謝しています。
――演じられるそれぞれのキャラクターの印象、また、演じるときに心がけていることを教えてください。
福西:カフカに対して初めから一貫して思っているのは、「カフカのこと、絶対みんな好きじゃん」ということですかね! 演じている身からすると、なんか変な照れも入っちゃいますけど(笑)。まず、少年誌にいる“おじさんの主人公”、というシンプルな属性だけみても斬新で面白いんですが、他作品では渋さや大人っぽさがフィーチャーされがちなおじさんが、カフカの場合、とにかく情けない部分やカッコ悪くて泥臭い部分が全面に出されているっていうのがいいですよね。私自身、元々泥臭い兄貴分みたいなキャラクターが好きなんですけど、カフカはまさしくそうだなって。そんなのみんなも好きになるに決まってるじゃん!って思います(笑)。
瀬戸・加藤:うんうん。
福西:それから、案外自分に似ている部分もあるなと。感情に素直なところだったり、落ち込んでも人と会うとリセットできて前向きになれるところだったり、日々の過ごし方や人間としてのあり方に共感できるものがありますね。あとは、このアゴヒゲ。実は高校生のころから生やして愛情を注いでいるんです。ビジュアルの面でも運命を感じながら(笑)、外見的にも内面的にもかなり自然な領域でお芝居をしているなという感じですね。
瀬戸:ミナの最初の印象は、なんか遠い存在だなって。気がついたら“みんなのヒーロー”的な存在になっていて、「彼女の本意はどこにあるんだろう」と心配になってしまうところがありました。きっと「ヒーローとして、隊長として、ちゃんとしていないといけない」みたいな責任感からの苦しみなんかも、すでに乗り越えた後なのかなという印象を受けていました。そんなミナを演じるときは、自分の発言が周りに影響を与えるということを本人も自覚しているだろう、と思っていたので、人によって態度を変えることはないのですが、発言の内容や場面によって話し方は意識するようにしていました。
加藤:レノは“熱いヤツ”という認識だったので、ちゃんと熱い人間として演じたいなと思っていました。また、これは収録を重ねていくなかで気づいたことではあるんですが、レノは「誰かのために自分を犠牲にする人を守れる存在」になりたいんじゃないかなって思っていて。その代表として身近な存在のカフカがいるんですれども。そんなことを考えながら収録に臨みました。
【放送日】
2024年4月13日(土)夜11:00より、テレ東系列ほかにて放送/X(Twitter)にて全世界リアルタイム配信
(各種配信プラットフォームでも、放送終了後23:30より順次配信開始)
<STORY>
日常的に怪獣が人々をおびやかす世界。
怪獣を討伐する「日本防衛隊」への入隊を志していた日比野カフカは、
いつしかその夢を諦め、怪獣専門清掃業で働いていた。
「二人で怪獣を全滅させよう」
かつてそう誓い合った幼馴染の第3 部隊隊長・亜白ミナの活躍と、
防衛隊を目指す後輩・市川レノとの出会いをきっかけに再び夢を追い始めるカフカ。
しかしその矢先、謎の小型怪獣によって強大な力をもつ“怪獣に変身”してしまう!
「怪獣8号」と名付けられ日本中から追われる存在になったカフカは、
それでも防衛隊員への夢を諦めず、怪獣災害に立ち向かうのだった――。
■公式サイト:https://kaiju-no8.net/
■作品公式X(Twitter):https://twitter.com/KaijuNo8_O
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