テレビ大好きイラストレーター・渡辺裕子さんが、お気に入りの番組をかわいいイラストで紹介する連載「いつもテレビをみています」。第23回は「男子ごはん」(毎週日曜朝11:00-11:30、テレ東系)をチョイス。
リラックスして楽しく見られるお料理番組
「男子ごはん」がスタートしたのは2008年。番組タイトルや出演者の変更はありましたが、国分太一さんは16年もごはんを作り続け、すっかり長寿番組になりましたね。今はもう男性がキッチンに立つのは当たり前になりましたが、始まった頃は、タイトル通りの「男子」が、普段の食卓に並ぶようなごはんを楽しげに作る番組というのは新鮮だった覚えがあります。
最初はケンタロウさん、その後は栗原心平さんに、初心者として料理を教わっている感じだった国分さん。16年も作ってるんだし、料理の腕はかなり上がったはずだけど、今も毎回「教えてもらっている」という雰囲気のまま、楽しそうに料理を手伝っている。そして教える側の栗原さんも、ちょっとしたコツをお知らせしますくらいのスタンスで、先生っぽい構えた感じがない。国分さんの謙虚さと栗原さんのやわらかい空気のおかげで、リラックスして楽しく見られるお料理番組になっているのが、長続きしている秘密のひとつじゃないかと思います。2人の間にとても親しい空気が流れているのに、お互いにずっと丁寧な言葉遣いで会話してるのも好きです。親密だけど内輪だけで楽しんでいるのではなく、私もあの場に招かれて、リビングでごはんができるのを待っているような、こちらに向かってキッチンが開いている感じ。
作る料理も、生活に寄り添ってる感じがして楽しい
そして作る料理も、これなら今冷蔵庫にある材料ですぐできそうとか、本当に生活に寄り添ってる感じがして、楽しい。初期はお肉とかボリュームのあるお料理が多かった気がするんですけど、近頃は旬の野菜を使うなどした、胃に優しそうな品が多めになっているような……気のせいでしょうか。年月が経つにつれ、作ってる2人も、見ている私も成長し、好みも一緒に変わってきたのかも。毎年作られるレシピ本もおもしろく、これからもずっと続いてほしい番組です。
■イラスト・文/渡辺裕子