片岡愛之助、高橋光臣らイケメン俳優が池波正太郎の描く“光と影”を熱演
BSジャパンでは、10月3日(火)から「池波正太郎時代劇 光と影」を放送することが分かった。
池波正太郎の短編12編を一話完結でドラマ化し、「人間とは善も悪も同居する矛盾が素晴らしい。」を主題に、裏稼業の男たち、すご腕女剣士、二宮尊徳の外伝など江戸時代に逞しく生きた侍や庶民の生活を描く。
第1話では片岡愛之助が臆病者の武士を演じる「運の矢」を、第2話では高橋光臣が遊女に一目ぼれする藩士を演じる「武家の恥」を送る。その後も筧利夫、でんでん、祐真キキ、望月歩らの主演作が続く予定だ。
第1話「運の矢」
●あらすじ
信州真田家の勘定方・天野源助(片岡愛之助)は、生まれながらの小心者で、藩士のみならず城下の町民からも“武士にあるまじき腰抜け”と笑われていた。ただ一つの頼みは、幾度となく降りかかる悪運の矢から未来の女が守ってくれるという、幼き頃に聞いた雲水の予言だった。
父・八太夫(岡本富士太)の勧めでさかえ(富山えり子)を妻に迎えた源助は、藩主・真田伊豆守信安から仕事ぶりをほめられるまでになる。ところが、最愛の妻・さかえが急死。絶望した源助は命を絶とうとするが失敗してしまう。その矢先、父が勘定方の森口に逆恨みの末、闇討ちされて…。
惨憺(さんたん)たる悪運に転げ落ちていく源助の前に、一人の女(雛形あきこ)が現れる。すると彼の運気は好転していき、父の仇討ちが奇跡的に成功することで出世街道をまっしぐらに昇っていく。しかし、天命は皮肉にも、ラスト意外な運の矢を彼に射ることに。
●片岡愛之助コメント
今回の「運の矢」という話では、臆病者で頼りないものの、人間味あふれる、人間くさい男・天野源助を演じました。最初台本を読んだとき、この人どこへ行くのかな、と、源助がへなちょこ過ぎて驚きました。
格好よく見えてはいけないですし、怖がりながら戦うというのは、普通の立ち回り以上にすごい労力で大変でした。このしんどさは久しぶりに思い出しました。不幸になったり、恥をかいたり、死にたくなったり、ロクなところがない男なんです。自分とは違う、こういう人もいるのか、という人生を歩ませていただけたのは楽しかったです。自分が源助なら、力強い武士となるため、とりあえず腕立て伏せと腹筋から始めようと思いますね(笑)。
さあ、天野源助という男がどんな一生を歩むのか、楽しみながら「え? そんなことが?」「それはないよ」と突っ込みながらご覧ください。
第2話「武家の恥」
●あらすじ
信州松代藩は、藩主のちょう愛を受けた国家老・原八郎五郎(谷口高史)が藩政を牛耳っており、原を快く思わない“お為派”と“原一派”とで勢力争いが勃発していた。そんな中、下級藩士・森万之助(高橋光臣)は、参勤交代で江戸へ行った際に遊女・おみの(池田愛)に一目ぼれ。父と親しい江戸藩邸の留守居役・駒井理右衛門(山崎樹範)の力を借り、おみのが遊女であったことを恥じと思い、隠して、祝言を挙げる。
数年後、原が堂々と遊女を後妻に迎えたと聞いた万之助は、原にある同志的な思いを抱く。そんなある日、幼なじみの児嶋右平次(比留間由哲)から遊女を後妻にもらうなどの恥ずべき存在の原の暗殺を持ち掛けられるが、自分の妻も同じだと、原をかばう。
●高橋光臣コメント
池波正太郎先生の作品ということで、軽い気持ちでやれる作品ではないな、と身が引き締まる思いでした。森万之助は、人格自体が居合いっぽく、刀を抜かずして=刀の鞘の中で物事を解決するという精神を持っている人物だと感じています。冒頭で居合いの刀を抜くシーンがありますが、そこでの説得力があった上でなお、抜かない・抜きたくない万之助、という部分での表現ができたらと思っています。
この作品は、「武士としての恥」と「身分違いをつい隠そうとしてしまう利己的羞恥心」という、大きく「二つの恥」がテーマとしてあります。その二つの「恥」をかみ締めながら見ていただけたら面白いと思います。
瀧川治水プロデューサーコメント
巨匠、池波正太郎さんの短編原作のドラマ化ができることとなり、うれしさと同時に責任の重さも感じます。メインタイトル「光と影」は池波さんが描く人間の明るさと暗さの妙、表と裏のおかしさ、の意味があります。
とにかく池波正太郎さんの世界は、摩訶不思議に面白い!!という一語に尽きます。この枠でこそできる新しい時代劇です。「運の矢」「あほうがらす」「女剣 妙音記」はラストの落ちまで想像がつきません。
後半放送予定の、私は馬だと名乗る侍の話「狐と馬」はファンタジーです。「医者と毒薬」や「恋文」はブラックユーモアたっぷりのミステリー。そして第一話「運の矢」トップバッターに片岡愛之助さんが決まり、12話もろとも、必ずや視聴者さまの意中を愛の矢が刺さることと存じます。ぜひともご期待ください。
10月3日(火)スタート
毎週第1・第2火曜夜8:00-8:54
BSジャパンにて放送
原作=池波正太郎
脚本=古田求、渡辺善則、藤岡美暢、岩田元喜、坂口理子、山木静子
演出=井上昌典、服部大二、前原康貴、佐々江智明、大脇邦彦