実は世話焼きな性格
――岸本さんは、5月10日(金)より上演されるパーセプションステージ「Opus.COLORs」に月見里 和哉役でご出演されます。本作は、作品を描くアーティストと、それをプロデュースするグレーダーが2人1組になって「パーセプションアート」というデジタル絵画に青春をかけるストーリーとなっていますね。
僕が演じる月見里 和哉もそうですが、キャラクターたちはさまざまなものを背負いながら生きていて、とても繊細な人間ドラマを描いた作品です。最初、「パーセプションアート」、デジタル絵画という言葉から、とてもきらびやかな世界をイメージしていたのですが、台本を読んで、意外とそういうファンタジーな部分よりも人間模様を見せないといけない作品なんだなと感じました。
――本作は歌唱パートもあるそうですね。
歌のシーンもありますし、ダンスのような身体表現もあります。また、没入型というのも1つのテーマになっていて、一般的な劇場とは異なる360度の円形ステージでの上演というのも面白いところだと思います。品川プリンスホテル クラブeXは初めて立つ劇場なので、未知の領域ではありますが、精いっぱいいいものを届けられるように頑張りますので、期待していただけたらうれしいです。
――将来のビジョンとして考えていることはありますか?
やっぱり人を楽しませることをしていきたいですね。最近流行っているMBTI診断をやってみたら、ENFJだったんです。主人公タイプとされる分類なのですが、内容を見たらすごくしっくりきて。世話焼きだし、昔から物作りも好きだったし、これまでいろいろな道を歩んできましたけど、 自分の芯はそこなんだということに気づきました。
舞台だったり、歌だったり、カレンダーなどのグッズだったり、作品を作って、それをファンの方にお届けして楽しんでもらう。その繰り返しをしていく先に、僕の幸せもあるのかなと。逆に言えば、これまでもずっとそうしてきたので、これからも変わらずに継続していくことが大切だなと感じています。
――世話焼きというのは少し意外でした。
本当はめちゃくちゃ世話を焼きたいタイプなんですけど、最近は一歩引いて見るようにしています。例えば、経験が浅い役者の子たちにはつい声をかけたくなってしまうのですが、役者さんは芝居に対してのアプローチの仕方はそれぞれ違うので「彼は彼なりに戦っているんだ」と、グッと我慢しています(笑)。もちろん、質問してきてくれるのなら、そのときは100で応えますが、まずは見守っている方が相手にとっていいんだろうなと。
――その人が自ら成長する機会を奪わないようにしているんですね。
そうですね。でも、世話を焼きたい性格ではあるので、最近、犬を飼いたいなと思っていて。めちゃくちゃ手のかかる子のお世話をめいっぱいしたいですね(笑)。
――影響を受けた先輩方は、口で伝えるよりも背中で語るタイプだったという一方で、ご自身は真逆の世話焼きというのは少し面白いですね。
そうなんですよね。自分とは違うからこそ惹かれるのかもしれないなと。きっと、硬派な男性というものに憧れがあるんだと思います。言葉で伝えて導いてくれる人よりも、自分のプレイで語ってくれる人。だからこそ、自分からあまり世話を焼きにいかずに、一歩引いて見守る、でも助けられるところは助ける、という自分の理想像になれるように模索しているのかもしれないです。
◆取材・文=榎本麻紀恵
撮影=山内洋枝
スタイリスト=齋藤良介
ヘア&メーク=上野彩紗
https://emii.photo/ttv-square/
■パーセプションステージ「Opus.COLORs」公式サイト
https://opuscolors.com/
ポニーキャニオン
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
発売日: 2023/09/27