コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ゲッサンにて『魔託のヴァルムト』を連載中のウエマツ七司さんが描く『オバケに好かれる大学生と、オバケが好きな先生の話』をピックアップ。
2024年3月15日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、2.5万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、ウエマツ七司さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
霊を引き寄せてしまう大学生。悩んでいたところに、保健の先生が声をかけてきて…
大学生の狼谷真人(かみやまこと)は、幼少の頃から霊を引き寄せる体質だった。この日は、学校で一緒にご飯を食べていた友人に霊が憑いているのが視え、別れ際に肩を叩くことで霊を引き受けてしまう。
友人の身の危険は退けたが、自分だって霊は怖い。早くお払いに行こうと思っていたところに、後ろから「いいの憑いてるわね。」と声をかけられた。今年、新しく学校の保健室に赴任してきた亜喰涼子(あじきりょうこ)先生だった。どうやら、この先生にも霊が視えるらしい。さらに、霊を取り除くことも可能だという。神にもすがる思いで、狼谷は先生に霊を取り除いてほしいとお願いした。
早速、保健室に行くと先生は興味津々な様子で狼谷に憑いた霊を視ている。2人とも霊が視えるは同じだが、狼谷は怖がる一方で先生は嬉しそうにしていて、その反応は正反対だ。一通り話し終えた先生は「準備があるから、3日待って」と言ってきた。狼谷はすでに霊に憑りつかれている状態がつらく、少しでも早く取り除いてほしいと思っていたが、仕方なく待つことにした。
しかし、狼谷が思った以上に日に日に霊の力は強くなっていった。霊は夢にまで出てくるようになり、押しつぶされそうなくらい存在も巨大化していった。“3日も待てない”と感じた狼谷は、急いで保健室へ駆け込み、先生に助けを求めた。驚きの表情を見せた先生は、直後、予想外の行動に出る。
狂気的な笑みを浮かべながら「美味しそう」と言って霊に近づき、そのまま食べ始めたのだ。そして、さらに彼女の身体から大きな悪霊が現れ、狼谷に憑いた霊を食べ尽くしてしまった。
無事に除霊が終わると、霊を引き寄せる狼谷に先生は「また霊を連れてきてほしい」とお願いするが、また今回のような大変な思いをするのは嫌だと拒否する狼谷。しかし、先生は引き下がらず、不気味な笑みを浮かべて言った。
「逃がさないわよ」
本作の投稿には、「素晴らしい…!!」「物語も世界観も好きです」とストーリーを絶賛するコメントの他に、「先生が可愛い」「トチ狂った美人好き」など先生のキャラクターに惹かれる読者の声も集まっていた。
作者・ウエマツ七司さん「このキャラを好きな人が絶対にもっといるはずだと信じていた」
――『オバケに好かれる大学生と、オバケが好きな先生の話』を創作したきっかけや理由などをお教えください。
綺麗で可愛いお姉さんキャラの裏の顔に振り回されたい、振り回される男性キャラが見たいという欲求の元生まれました。
狼谷が亜喰のことを怖がってほしかったので、ホラー映画が好きなこともあり幽霊にしようと後付けした感じです。
――本作は過去にゲッサンにて読切掲載されたもので、正式なタイトルは『ピギーガイスト』です。タイトルに込められた意味の解説をお願いしてもよろしいでしょうか。
ガイストはそのまま「幽霊」、ピギーは「豚」という意味合いで、これを組み合わせた造語になります。
「幽霊を食べる話」なので「ガイストイーター」とかになる予定だったのですが、タイトルからネタバレになってしまう恐れがあるので、「食べる」といえば「豚」かな…?と連想していきました。
――お話の中で、ウエマツ七司さんが特に気に入っているシーンやセリフなどを理由とあわせてお教えください。
ラストの先生の「逃がさないわよ」のシーンは今読んでも描きたかったんだろうなとヒシヒシ感じます。
女性キャラから男性キャラへの利己的な執着はとても素晴らしいものです。
――X(旧Twitter)の投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。今回の反響をどのように感じていらっしゃいますか。
今回でXにあげたのは3回目なのですが、このキャラを好きな人が絶対にもっといるはずだと信じていたので見つけてもらえて本当に嬉しかったです。個人的にも好きな作品なのでより一層でした。
――今後の展望・目標をお教えください。
現在はゲッサンで『魔託のヴァルムト』という作品を連載しているので、こちらを納得いくように仕上げていきたいです。ゆくゆくは連載作品がハリウッド映画化するのが目標です。
それと、出来ることならこの『ピギーガイスト』もどこかで連載してみたいです!
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
今回は見つけていただいてありがとうございます!コメントの一つ一つが励みになり、このように取り上げていただきました。今回紹介いただいた読切作品はここでおしまいですが、他にも読切や連載作品もありますし今後も描きたいものがたくさんありますので、作家単位で追っていただけると嬉しいです!