コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ダンジョンの中にある喫茶店で様々なお客の悩みと向き合っていく「ダンジョン喫茶のまんが」をピックアップ。
作者の山本四角さんが4月15日にX(旧Twitter)で同作を投稿したところ、2.9万以上の「いいね」とともに、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、山本四角さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
「いつも通り」などない…冒険の本質を元魔王が体現
魔王の死をきっかけに発生したとも言われる「迷宮(ダンジョン)」では、様々な罠や魔獣たちが冒険者の行く手を阻んでいた。戦いに疲れ、怪我と空腹でダンジョン内をさまよっていた冒険者・睦月ゆかりの目の前に現れたのが、黒須ドゥンケルが店長をつとめる喫茶店「獅子の城(レーヴェンブルク)」だった。
「こんなところに構える店がマトモかね…」と半信半疑の睦月だったが、店長と会話を交わすうちに、最近感じていた冒険者としての悩みを打ち明ける。しかしそこに、突然変異によって生まれた強大な魔獣が現れ、立ち向かう冒険者たちを次々と倒していく。
助太刀に向かったゆかりと店長の奮闘によって、なんとか魔獣を鎮めることができたが、店内には疲労困憊した勇者たちが続出していた。「飯を振る舞ってとっとと追い出すぞ。食って寝れば治る連中だ」と店長は、冷蔵庫の余りものだけで作った、本格カフェ顔負けのおしゃれなパンケーキを提供する。クラシックなものを愛するゆかりは、「こういう今風なのは私はちょっと…」と顔をしかめながらも、「冒険に『いつも通り』などない。裸一貫でも未知に飛び込む勇気こそが、冒険者を突き動かす本質のはずだ」という店長の言葉に心動かされ、パンケーキを口に運ぶ。すると、あまりの美味しさに「うっま…!」と感動したのだった。
「私ももうすこし…冒険者として色々挑戦してみるよ。アンタの言ったことがヒントになりそうだ」と元気を取り戻したゆかり。その後なんと「ビキニアーマー睦月」として、初心者冒険者向けの動画配信をはじめたのだった――。
ネット上では、「シリアスな本筋の新情報と筋肉とお色気とギャグの洪水や!」「全ページの筋肉が素敵すぎる」「元魔王に元勇者にグルメにケモナー…とっても美味しいお話だ!」といった声が多数上がっている。
作者の山本四角さん「十人十色な悩みに向きあう姿が大きなヒントに…」
――「ダンジョン喫茶のまんが」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
疲れている人が喫茶店へ癒されに行くのはふつうの事ですが、では逆に喫茶店のほうから疲れている人を癒しに行けば面白いことになるのでは…?という発想から、ダンジョンの中に喫茶店があるお話を描きたくなりました。
また同シリーズ「喫茶新(ニュー)魔王城」は、これまでほとんどが店の中だけで展開するお話だったこともあって、店の外で大きな規模の事件が起こるお話にしてみたいなと考えました。
その他にもリアルできっかけになったこととして、最近のSNSでは色々な人がお悩み相談を配信されていることが多く、自分は作業中に配信を聴くことにハマっていました。
その十人十色な悩みに向きあう姿が、キャラ造形の上で大きなヒントになったと思っています。
――「ダンジョン喫茶のまんが」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
まずゲストキャラクター「睦月さん」の、たくましくもムチムチな熊獣人の女戦士という属性のてんこもり感を見ていただきたいです。
最後の華麗な変身(?)も色々な意味で見どころなのかなと…。
またダンジョンや魔獣、未知の世界といったものを描く際には、今の技量でなるべく新鮮な驚きを提供できるようにこだわりました。
お話の部分でいうと、34ページという長さが苦痛にならないよう、わかりやすい起承転結やメリハリを心がけましたので、長さに身構えず読んでいただけますとうれしいです。
――今作を含むSNS連載作品「喫茶新魔王城」の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
店長の「すべてのことに都合のよい答えがあるわけではない」といったセリフ全般や、登場人物たちのくだらないやりとりは全般的に好きです。
自分が考えたというより、キャラが勝手に喋ってくれたような印象があるからです。
また、とあるメニューが2通りの姿を見せるシーンがあるのですが、ストーリーやキャラと歯車がっかり噛み合うようなメニューを思いつけたという小さな感動があったので気に入っています。
――本シリーズは、ストーリーもさることながら登場人物の肉体美も多くの反響を呼んでいますが、何かを参考にして描かれているのでしょうか。
あんまり良くないことなのですが今回、店長たちの筋肉はほぼ参考なしで描いています。描くページが多すぎたということもあるのですが…。
いつもはなるべく多くの写真や動画の資料を参考にして描くように心がけていて、肉体美であれば解剖図やボディビルダーなどの資料を集めるのが通常です。
そのいわば貯金で今回はノー資料で描けたのかなとも思います。
――今後の展望や目標をお教えください。
今後も灯里(あかり)と店長の恋が進展したり、店をとりまく新たな敵や味方・さまざまなお客様が現れたり…といった展開を予定しております。
そして「喫茶新(ニュー)魔王城」を一度なにかのパッケージとしてまとめたり、その先もなるべく長くシリーズを続けていくことが目標です。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつも「喫茶新(ニュー)魔王城」を読んでいただきありがとうございます!
今回は3ヶ月という長い時間が空いてしまったにもかかわらず、たくさんの方々が店長達のことを覚えていてくださって感謝の念にたえません。
今後も初夏にかけて新しい話や展開を広げていければと思いますので、お待たせはしますが楽しみにしてただけますと幸いです!