サラリーマン・三上悟がスライムのリムル=テンペスト(CV:岡咲美保)として異世界に転生、さまざまな種族が共に暮らせる理想の国作りに奮闘する「転生したらスライムだった件」(毎週金曜夜11:00-11:30ほか、日本テレビ系ほか/ABEMA・ディズニープラス・FOD・TVerほかで配信)。2021年以来となるTVアニメシリーズ第3期では、「魔王達の宴(ワルプルギス)」を経て正式に魔王となったリムルの元へ、魔物を敵視する神聖法皇国ルベリオスの聖騎士団長・ヒナタ(CV:沼倉愛美)が訪れる「聖魔対立編」が描かれる。第53話(第3期5話目)は、ヒナタの属するルベリオスで開かれた会議の様子を描いた「両翼会議」。(以下、ネタバレを含みます)
神に絶対服従ながらも内部関係はギスギス?
ルベリオスでは、聖騎士団長であるヒナタを筆頭とした「両翼会議」が始まる。参加者はヒナタのほか、聖騎士団の幹部6名と法皇直属近衛師団の幹部3名の計10名。さらにはそれを、天幕越しに法皇のロイ・ヴァレンタイン(CV:水中雅章)が見守っているという形だ。会議の冒頭、近衛師団のサーレ(CV:千葉翔也)がさっそくヒナタに噛み付くと、聖騎士団のレナード(CV:野島健児)とアルノー(CV:竹本英史)が怒りを露わにするなど、荒れた立ち上がり。しかしヒナタは、そんな仲間内での争いを「くだらないわね」と一蹴し、会議を進めていく。
冒頭からなんとも険悪な雰囲気が漂っているルベリオス陣営。どうやら両翼会議の「両翼」とは、聖騎士団と近衛師団のことで、この両者は互いのことを快く思っていないようだ。テンペストの和気藹々とした、それでいて建設的な会議の風景を見続けてきただけに、あまりの空気の違いに驚かされる。これにはSNSでも「魔物の会議はほのぼのしてたのに人間の会議は殺伐としてて草」「チームワーク最悪なの笑える」などの声が寄せられていた。とは言え、ふつうの会議はむしろこちらがスタンダードで、テンペストのほうがいい意味で異常なのだろうと思わされてしまうのが、厳しい現実社会で生きる我々の悲しい性かもしれない。ちなみにヒナタは、実力が伴っていればいつでもこの立場を譲るとも発言しており、ルベリオス陣営はかなりの実力主義であることも窺える。
聖騎士団のリティス(CV:相川遥花)から、テンペストの近況が報告されたのを皮切りに、ほかのメンバーからも近隣諸国について次々と情報があげられる。そして最後には、もっとも重要なファルムス王国の実情についてサーレが報告。新王エドワルド(CV:樫井笙人)が武力を蓄えており、内乱の予兆が見られるとの見解に、ヒナタは内乱もリムルの計画のうちだと断定し、さらなる調査を命じる。こうして一通りの情報が出揃い、リムルの真の狙いやヴェルドラ=テンペスト(CV:前野智昭)との関係を探っていくメンバーたちだが、ヒナタは皆に、神・ルミナスからの「魔王リムルに手出しするのはまかりならぬ」という神託を告げ、リムルとは敵対しない方針を宣言するのだった。
やや不穏な立ち上がりではあったものの、いざ会議が始まれば、ヒナタの厳格な進行のおかげもあり、報告はかなりスムーズに進んでいった。メンバーたちも自分に任された諜報任務はまっとうしており、対立構造はありながらも個々人はおおむね有能なのだろう。そんななか、グレンダ・アトリー(CV:日野まり)だけはのらりくらりとした応答に終始しており、ヒナタ自身も「舐められている」と感じるなど、多少の問題も抱えていそうだ。そしてこの両翼会議が特徴的なのは、ルミナスからの「神託」は疑う余地のない真実であることが前提条件となっている点だ。現実世界で例えればワンマン社長からの「鶴の一声」とでも言うべきか、そこには一切の異論を挟み込む余地がない。さらに面白いのは、彼らにとって絶対の存在であるルミナスの正体がじつは魔王であり、それを知らずに魔王を糾弾しているというところ。冷静に考えればなんとも滑稽で、まさに宗教国家ならではとも言えよう。
▼ABEMAで「転生したらスライムだった件 第3期」を見る
https://abema.tv/video/title/420-11
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https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/that-time-i-got-reincarnated-as-a-slime
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https://fod.fujitv.co.jp/title/11np/
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https://tver.jp/series/sr2yjt82l0