元天才フリーターの大輔が成長していく物語
海部の海部の代理人弁護士・館林憲次(小須田康人)は、甲斐の予想通り、大輔が提示した金額での示談に応じる。交渉成功を喜ぶ大輔。だが、甲斐の秘書・玉井伽耶子(中村アン)は、物事が上手くいきすぎているときは必ず不吉なことが起こる、と大輔に告げる。その予言通り、大輔は、アソシエイトを監督する立場でもある蟹江貢(小手伸也)から、仕事に関しては逐一報告書を提出するよう命じられる。さらに、海部のセクハラ疑惑を報じるネットニュースが流れてしまい、示談で収めるはずの目論見が外れてしまうのだった…。
第1話で出来上がったばかりの甲斐と大輔のコンビは、その関係性もまだ手探り状態。突然の弁護士業務で右も左も分からないはずの大輔だが、持ち前の記憶力と人懐っこい笑顔で新人らしさを消していく姿が小気味良い。今後は大輔の成長物語としても楽しめそうだ。
甲斐から見ても大輔の伸びしろの大きさは楽しみであるかのような描写が少なくない。喪服のフォーマルスーツしか持っていないという大輔にお金を渡してスーツの仕立て屋に行かせたり、市民からの無料相談といった小さな案件ばかり任せていたかと思えば、大病院の医師のセクハラ案件がうまくいってないことを知ると、甲斐はスマートに手助けをして「俺が関わった以上、何が何でも勝つ」と宣言し、実際に華麗に相手を言い負かしていく。すべて事が片付いた後で、大輔にスーツの仕立て代金を請求して払い終わるまで働くよう命じるなど、甲斐の“いたずら心のある”大人な態度が、大輔を大きく成長させていくのだろう。大輔がパリッとスーツの似合う男になるまで、ドラマを見続けてみたくなる。