「声の力で世界に煌めけ」をコンセプトに活動する、黒木ほの香、小峯愛未、小山百代、汐入あすかの女性声優4人から成るユニット、サンドリオン。昨年、シングル『Angel Ladder』で満を持してメジャーデビューを果した彼女たちは、2ndシングル『天体図』が、TVアニメ『星屑テレパス』ED主題歌に起用され、大型アニメミュージックフェス『ANIMAX MUSIX 2023』にも出演と、大きく飛躍。その勢いのまま、5月8日に3rdシングル『Sunny Canvas』を発売。今作はTVアニメ『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』のEDテーマに起用、二作連続の主題歌担当となった。今回はカップリング『きっと星は輝いている』の魅力に迫ると共に、メジャーデビュー一年目の想い出についてのトークをお届け。(後編/全2回)
一歩踏み出す勇気を持てない人の背中を押す応援歌『きっと星は輝いている』
――カップリング『きっと星は輝いている』も素晴らしいですね。作詞曲を担当されたAiraさんとは今作が初のタッグです。
汐入 Airaさんは、昨年のクリスマスワンマンライブの配信を見て、この曲を作ってくださったそうで。
小峯:作詞・作曲に編曲まで一人でやられ、しかも私たちより若い! これぞ天才ですよ。
――わずかな期間でここまでの曲が完成できるとは、まさに才能の塊。こちらは、疾走感溢れるサウンドと、切なさと温かみが同居する歌詞が胸に刺さる内容ですね。
黒木:最初、タイトルと歌詞と曲をいただき、サッと触れた時点では、「壮大な世界を歌っているなあ!」と思ってしまって。私、あまりに壮大な世界観だと、「私なんかが歌って……ごめんなさい」って、へりくだってしまうんですよ(苦笑)。けど後々ジックリと聞いていくと、『きっと星は~』は、まるで自分の心と向き合いながら、「あと一歩踏み出せない、それでも前を向こう!」と勇気づけてくれる応援歌に聞こえてきて。そこからはスッと中に入ってきたんです。
小峯:ほのが言ってくれたように、すごく「人間だなあ」と感じる歌詞。主人公はちょっと後ろ向きではあるけれど、決して前を向いてないわけではなくて。夜空の星に自分の夢を託すけれど、サビの最後に「ゴールは自分だけが見つけられる気がして」ってあって。迷いもあるけれど答えは自分の足で探してみようっていう、生っぽい感情がちりばめられているんです。
汐入:もがいているよね。ネガティブとポジティブの狭間にいる感じがする。
小山:1番が始まってからは途中まで悩みを抱え不安なところ、2番のBメロ「巡り巡る」あたりから少しずつ前へと進んで、ラスサビでは希望へと走りだしていく。まるで、感情の階段を駆け上がっていくような歌だなって。
黒木:これは本当にみんなに聞いてほしい、しかも歌詞の舞台になっている午前0時に。夜って今日やってしまった失敗や、将来への不安に想いを馳せてしまいがちじゃない。
小峯&汐入:わかる~‼
黒木:考えすぎても沈むばかり。その気分を少しでもこの曲で変えて、一日の最後に少しでも前向きになって もらえたら嬉しいなあって。
小峯:誰しもが悩んでいるよ、けど一人じゃないよって背中を押してくれるはずだよね。
黒木:そうだね。……あのさ、個人的な話をしていい? 完成した曲を聴いたとき、「声優になるぞ!」と思った頃の自分の心情とリンクしたんだよ。声優の専門学校に入ってからこの仕事に進む間に、自分なりに夢を追いかけることへの悩みがあって。その頃の心情をさ、『きっと星は~』を聴いて思い出して……若いね!もがいているねえ‼ってなった(笑)。
一同:アハハ!
黒木:「大丈夫、あなたももう少しすれば余裕が出てくるから」って、なぜか昔の私に対して、人生の先輩みたいな気持ちにもなったの。Airaさん、あのライブを見てここまで揺れ動く感情を深く描けたのはスゴイ。
――確かに、楽しいワンマンを見て、ここまで人の感情の揺れは中々出てきませんからね。もしくは、ライブ中に皆さんから葛藤が滲んだのか……。
汐入:あぁ~、あるかも。私たち、こう見えて根は暗いので(笑)。
黒木:ライブこそ人生で一番元気だし一番楽しい時間だと思っているのに、それでもこれだけ葛藤の言葉が綴られているということは、それだけ私たちの本質が画面越しに透けちゃったんだよ。超恥ずかしい(笑)。
小峯:これは今度、実際にお会いした時に答え合わせするしかないね。
小山:私たちのどこを見て、このステキな歌詞に辿り着いたか知りたい。Airaさん、お待ちしております。