コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、怪異が見えてしまう少年と、感情豊かな怪異との物語を描いた「怪異さんと俺 渡らせない理由」をピックアップ。作者のふに・無9さんが4月20日にX(旧Twitter)上で同作を投稿したところ、そのツイートには2.8万以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、ふに・無9さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
「なんでいつも私を無視するの!?」怪異が訴える心の叫び
「この橋は渡らせないよ!」
少年が橋を渡ろうとしたところに橋の怪異が現れて、そう言った。「なんで俺だけ?他の人、渡ってるよ?」ととまどう少年には、普通の人には見えない“怪異”が見える。
「もしかして、渡った先にいる怪異さんのこと?」少年は、橋を渡った先で大口を開けて待ち構えている、巨大な怪異のほうを指さした。橋の怪異は、この巨大な怪異から少年を守ろうとしているのだろうか。
怪異は、「ちっがうわよ!ねぇ本当にわかんないの?!」と舌打ちをしながら、少し恥ずかしそうに「なんでいつも私を無視するの!?遊びに誘ってよ!」と言い放つ。曰く、怪異なら見境なく遊びに誘う少年の噂を聞き、機会を狙ってずっと見つめていたという。少年は、怪異に睨まれていると勘違いし、あえて距離を置いていた。
少年は、「ごめんね気付けなくて。じゃあ一緒に遊ぼうか!」と怪異の手を引き、なぜか橋を渡ろうとする。「遊ぶなら数が多い方が楽しいよ?3人で何する?」と、怪異の手を強く引きながら、巨大な怪異のもとへ向かったのだった。
読者からは、「でかい怪異が最後、頬赤らめてるのかわいい」「怪異はみんな寂しがり屋さん」「現実の周りの子から奇異の目で見られている分、幸せになってほしい」といった声が多数上がっていた。
「ほんの少しでも日常の中の喜びになれるよう…」作者:ふに・無9さんが語る制作の背景
――「怪異さんと俺 渡らせない理由」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
旅先で橋を渡っていた際、渡った先に大きなお寺がありました。そのお寺の門が大口を開けた人の顔に見えて吸い込まれる感覚になったのが創作したきっかけです。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
どのような姿形でも、登場する怪異には様々な側面があり、感情があるのだと思っていただけるよう表情豊かに描くようにしております。その部分を見ていただければ嬉しいです。
――「怪異さんと俺」シリーズでは、超常的な怪異と少年との心温まるストーリーが反響を呼んでいますが、特に気に入っているエピソードやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
特に気に入っているエピソードは、怪異さんと俺『遠足先にいた変なやつ』です。
この話の中で悪い神様から人々を守る怪異が登場します。その怪異ははるか昔から人知れず悪神を封印し、人々を守ってきました。
それは誰かに感謝されるためのものではありません。ただ決して見返りを求めてやったことではないけれど、それでも誰かからの感謝の言葉一つでそれまでの頑張りが報われることもあるのだと思います。
そういった背景を含めて少年が怪異さんに言った「ありがとう」という言葉が作品の中でもとても好きなセリフの一つです。
――本来、怪異は怖がられる存在ですが、本作では恋心を抱いたり傷ついたりと感情豊かに描かれています。キャラクター設定やストーリーのアイディアはどのようなところから得ているのでしょうか。
町外れの喫茶店に入店する時のわくわくや、自然豊かな森の中を歩く時の開放感、人が溢れる街中でふとした時に郷愁に駆られるなど、私自身の生活の一場面で得られる感情をキャラクターやストーリーに落とし込むようにしています。
――今後の展望や目標をお教えください。
私の漫画が一人でも多くの方の生活の楽しみの一部になれるよう、ほんの少しでも日常の中の喜びになれるよう頑張りたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつも私の作品をお読みくださりありがとうございます。皆様が漫画を読んでくださることが漫画作りの励みになっております。
これからも、より楽しんでいただけるよう精進しますので今後ともよろしくお願いいたします。
あわせて読みたい
- 【漫画】「がんばって生まれてきたね」お腹にいた時と同じ感覚に思わず涙…逆子を出産した作者の体験談に「マジ涙出た」「涙腺を壊しにくる」の声
- 【漫画】自分を守って“石化”した大切な人を救いたい…20年も努力し続けた結末に「頑張ったなぁ」「本当に最高です」の声
- 【漫画】”ひねくれ騎士”と”ふわふわ姫様”に共通して見えるのは「妖精」…貴族嫌いの騎士が一転、優しさあふれる漫画に「癒される」「素敵なお話」の声
- 【漫画】“群れるの好きじゃない”容姿コンプレックスを溶かした幼馴染の大胆な行動に「久しぶりに尊死」「可愛いは正義」の声
- 【漫画】突然、エイプリルフールに喋り始める飼い猫…最後のセリフに「気づいたら涙が」「普通に泣いた」と感動の声続出