コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、かもみらさんがX(旧Twitter)に投稿した『恋人を食い殺した化け物と暮らす話』をピックアップ。
作者のかもみらさんが5月20日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、7千以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、かもみらさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
恋人を殺した化け物と一緒に暮らす話
カスミは恋人のはくまと海に出かけた時、高い波に飲み込まれてしまった。何とか一命は取り留めたカスミだったが、目を覚ますと隣には化け物がいて、はくまを食べていたのだった。すぐに化け物を彼から引き離したが、はくまはすでに死んでいた…。
「殺してやる」そう言って化け物の首を絞めたとき、化け物は「…カ…スミ」と言った。その声がはくまにそっくりだったため、その化け物を、カスミは殺すことが出来なかった。それからは、彼の声にそっくりな化け物と一緒に暮らしている。
どうやらこの化け物は、食べた生き物の声を真似ることが出来るらしい。知能は5歳児程度で、一日10時間は水にいないと苦しみだす。そして、火を恐れている。「カ…スミソトデタイ」と言ってきたときには、タバコの火を化け物に向けた。「また焼かれたいのか?」そう化け物に聞くと、泣いて謝ってくる。「これもはくまのためなんだよ?」完全な服従関係がカスミと化け物には出来上がっていた。そしてカスミは、この生活がとても気に入っていたのだった。
恋人を殺した化け物を服従させる男を描いた恐ろしい展開な本作。ネット上では、「最高…」「めっちゃ好き」といった本作に魅了された声が多く寄せられた。
「似てない声真似をする友達から着想を得て描いた」作者・かもみらさんの語る創作の裏側
――『恋人を食い殺した化け物と暮らす話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
最近友達が全然似てない声真似ばかりしてくるので飽き飽きしていたところ、何か声真似系の話を描いてみても面白いかもと思い今回の話を描きました
――『恋人を食い殺した化け物と暮らす話』の中で気に入っているシーンがありましたら、理由と共にお教えください。
実は恋人に対して、主人公がDVを行っていて、別れを切り出されていた過去がわかるシーンです。
それまでは化け物が恐ろしい存在として描かれていたのですが、実は本当に恐ろしいのは主人公だったということがそこでわかります
――以前のインタビューでかもみらさんが「ハッピーエンドが大好き」と仰っていたのが印象的でした。本作でも、恋人を殺された主人公が最終的には気に入った暮らしを手に入れています。この衝撃的な展開や終わり方は、どこから着想を得ているのでしょうか。
似てない声真似をする友達から着想を得て描いた本作ですが、こちらの話は友人がとても誇らしげに声真似をしてくる様子から本人は周りの目なんて気にしない、友人だけは幸せなんだろうなという気持ちからこの作品の結末を考えさせて頂きました
――この後の主人公と化け物との関係はどう変化していくのでしょうか。
このまま世間にバレるまで、この奇妙な関係は続いて行くのだと思います
――かもみらさんの今後の展望や目標をお教えください。
本業のイラストレーターをしながら、こうやって自主制作の漫画を公開できたらいいなと考えています
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
いつも作品を読んでくださり、ありがとうございます
これからもよろしくお願いいたします