コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、優希さんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「鉄脚のリョーコ」だ。5月31日時点で3万以上のいいねがつく反響が集まり、話題となっている。今作は『サンデーうぇぶり』で掲載されている読み切り作品だ。今回は作者の優希さんに制作の背景を伺った。
不良少女が見せるギャップに思わず胸キュン
主人公は喧嘩に明け暮れる不良少女・リョーコ。
ある日喧嘩の後、泥だらけ傷だらけの状態で電車に乗ると、たまたま隣にいた男子高校生から「大丈夫ですか?」とハンカチを渡される。
その日以来、ハンカチを返そうと試みるリョーコだったが「もし声をかけて…私のことを覚えてなかったら…」と不安になり、なかなか返せずにいた。
すると、リョーコの前に現れたのは以前の喧嘩相手。リョーコが恋をしていることに気付き、あえてリョーコが男子高校生と電車に乗っている所に姿を見せた。
果たして、リョーコは無事に男子高校生にハンカチを返すことはできるのか…!?
今作は、不良少女がみせるドキドキの純愛ストーリーだ。
実際に漫画を読んだ人達からは「尊死する」「衝撃レベルの作品」「こういう漫画増えてほしい」「推せるわ」「満足度すごい」「名作」と、いった声があがっている。
今回は、作者・優希さんに『鉄脚のリョーコ』の制作について話を伺った。
作者・優希さんの創作背景とこだわり
――「鉄脚のリョーコ」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
きっかけはスケバンを題材にしてアクション漫画が書きたい!というシンプルな理由だったと思います。いくつか提出したキャラクター案の一つで、担当さんと選びました。一周回ってスケバン漫画は新しい気がしたので以前から描いてみたい題材でもありました。
当初は脚から刀を生やしたスケバンが戦う、ゴア要素強めの異能力バトル漫画としてネームを描いていましたが、なかなか上手くいかず行き詰まっていました。そんな時ふと、すごく強いスケバンなのにハンカチを返すためだけにモジモジしてるのって可愛くないか?と思いついて、前のネームからあった”鉄脚”要素だけ残しつつ、恋愛を主軸にしたネームを描いてみたら担当さんのOKがもらえて掲載していただけました。
――「鉄脚のリョーコ」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?
こだわった点は、主人公であるリョーコが電車、ブランコ、鎖などの鉄(というか金属)のモチーフに囲まれてる、または捕われてるようなシーンがいくつかあるんですが、それは”鉄脚のリョーコ”という過去の自分が枷となって一歩踏み出せない理由になっているその象徴でもありました。
なので、最終的に鉄の囲い(電車)から解き放たれて、ありのままの姿で男の子と出会うというオチは最も描きたかった部分であり、こだわりのポイントです。
見てほしいポイントはリョーコの表情です。喜怒哀楽全部描いた気がするので楽しかったです。
――「鉄脚のリョーコ」の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
気に入ってるシーンは27ページの「教えてやるよ。この鉄脚で‼︎」のシーンです。リョーコの意志の強さとかっこよさが描けたと思います。ベタが多い絵はカッコよくなりますし、画面が締まるので好きです。
――優希さんが漫画を描くうえで、大切にしていることや意識していることはありますか?
絵や、キャラクター、ストーリーも勿論大切ですが、まずは興味を持ってもらうことが第一だと思ってるので、パラパラとめくった時、またはスクロールした時に少しでも手を止めてもらえるようなシーンを作るようには心がけています。
――優希さんの今後の展望や目標をお教えください。
連載もしたいですし、それ以外にも色々やりたいことがありますが、まずはたくさんの人に楽しんでもらえるような面白い漫画を作っていけたらなと思っています。
――最後に優希さんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
漫画を出版するにあたっては様々な人が関わっていますが、漫画制作そのものは自分の八畳間の狭い世界で完結できるので、自分の漫画を本当に読んでもらえてるのか、どんな評価を受けているのか、普段の生活の中では分かりづらいものではありますが、ありがたいことに今回このような嬉しい反響があり、たくさんの人たちに読んでいただけてるんだ!という実感が湧いて、今まで諦めずせっせと漫画を描いてきてよかったなと感じました。今後もせっせと頑張っていくので応援のほどよろしくお願いいたします!