【テレビの開拓者たち / マッコイ斉藤】「必ず視聴率20%が取れる日が来ると信じてます」
AKBが恋愛禁止なら、恵比寿★マスカッツは恋愛自由で行こうと(笑)
――また一方で、2008年には、マッコイさんが総合演出を手掛ける深夜番組「おねがい!マスカット」(2008~2009年テレビ東京系)が始まりました。以降、「おねだり!!マスカット」(2009~2010年)、「ちょいとマスカット!」(2010年)、「おねだりマスカットDX!」(2010~2011年)、「おねだりマスカットSP!」(2011~2013年)、「マスカットナイト」(2015~2017年)、そして現在放送中の「マスカットナイト・フィーバー!!!」まで、10年近くにわたってコアな人気を誇るシリーズとなっています。
「『マスカット』シリーズは、大好きだった『夕やけニャンニャン』(1985~1987年フジ系)の深夜版を目指して立ち上げました。番組が始まった当時は、AKB48を筆頭にアイドルグループがたくさん出てきた時期で。でも、セクシー女優のグループがなかったんですね。だったら自分で作っちゃおうかと(笑)。AKBが恋愛禁止なら、こっちは恋愛自由。笑い一本でやっていくというのが唯一の掟です」
――細かい話ですが、恵比寿マスカッツには、セクシー女優だけでなく、いわゆるグラビアアイドルの女の子もいますよね。どういう狙いが?
「グラビアアイドルの中にも、世に出るきっかけがつかめなくて、くすぶってる子がいっぱいいるんですよね。だから、そういう子も入れた方が、より“何くそ感”が出て、メンバー同士、切磋琢磨できるんじゃないかと思って」
――MCのおぎやはぎさん、大久保佳代子さんの起用理由は?
「お色気番組の司会が似合うタレントさんもいると思うし、そういう方にお願いしてもきっと面白くなるとは思うんですけど、それって想定内の面白さのような気がして。『何でおぎやはぎなの?』っていう違和感が好きなんですよね(笑)」
――「マスカットナイト」からは、サブMCとして阿佐ヶ谷姉妹もメンバーに加わりました。
「新しい違和感を取り入れたくなったんですよ、Wメガネが2組っていう違和感も含めて(笑)。まぁ学校で言えば、矢作さんがクラスの担任で、小木(博明)さんが校長、大久保が教頭、そして阿佐ヶ谷姉妹は用務員のオバサン、みたいな感じですかね」
――(笑)。初代の“恵比寿マスカッツ”と、現在の“恵比寿★マスカッツ”で、何か違いを感じる部分はありますか?
「今の子たちは、確かにみんな器用なんですけど、器用すぎて味がないっていうのは正直感じますね。あと、今のマスカッツにはまだ、100%腹を見せてくれるメンバーが数人しかいない。犬とか猫って、信頼する相手には腹を見せるじゃないですか。初代のマスカッツの子たちは、それこそ犬みたいに、僕に全部腹を見せて、『さぁ、どうにでもしろ!』って感じだったんですけどね。マスカッツというグループは本来、さらけ出してナンボのアイドルだと思うんで、今後は月収の話とか男の話とか、よその番組でしゃべったら怒られるような話をどんどんしてほしいなと思いますね(笑)」
――では、最後の質問です。総世帯視聴率の低下や、若者のテレビ離れなど、今のテレビ界を危惧する声も聞こえてくる昨今ですが、マッコイさんはこの現状をどのようにごらんになっていますか。
「ずっとテレビを見て育ってきて、テレビが大好きな僕としては、『テレビは今もやっぱり面白い』と言いたいですね。いい意味で“ツッパってる番組”もいっぱいありますから。『(世界の果てまで)イッテQ!』(日本テレビ系)も相変わらず抜群に面白いし、『陸海空 (こんな時間に地球征服するなんて)』(テレビ朝日系)からはナスD(友寄隆英ディレクター)という裏方のスターも出てきた。AbemaTVの『亀田興毅に勝ったら1000万円』(2017年5月)というのも、テレビの未来を明るくする“事件”だったと思うし。やっぱりテレビはまだまだ華やかだし、可能性は無限だと思うんですよ。僕自身について言えば、『みなさんのおかげでした』で、いつか20%を取りたいと思っています。今のところ自己最高記録は、落とし穴を初めてやった回('10年6月24日放送「全落オープン選手権」)の19.9%。だから、これからも諦めずに頑張っていれば、必ず20%が取れる日が来ると信じているんです」