約13年ぶりの来日となるジャッキー・チェンが、6月11日に都内で開催された映画「ライド・オン」の来日舞台あいさつに登場。同作の演出・脚本を務めたラリー・ヤン監督と共に会場に詰め掛けた大勢のファンを沸かせた。
会場に「ジャッキー!」コールが響く
ジャッキーの芸歴50年、古稀となる70歳という節目の年である2024年に日本公開を迎えた「ライド・オン」は、ジャッキーが馬を相棒に戦うアクション大作。この日、香港から来日したばかりのジャッキーがヤン監督と共に登壇すると、観客からは早くも「ジャッキー!」コールが巻き起こる。「こんばんは!お久しぶりです」と日本語であいさつし、ヤン監督の日本語でのあいさつにも「日本語上手ね」と盛り上げた。
「長年日本のファンはずっとサポートしてくれて、私がいないところでも誕生日パーティーを開いてくれました。もっと早く来日したかったのですがコロナもあってできず、この3年間で5本を撮ってきました。10月にもマカオで新作を撮ります」と忙しい日々の中、来日がかなったことをファンに伝えたジャッキー。日本で食べたいものは?との質問には「カニ食べたい!九州ラーメン…あとわさび」と答え、ファンを笑わせた。
相棒となった馬とは「スタッフの中で僕だけが馬に触ることができて、毎日僕が餌をあげたり言葉をかけて信頼関係を作りました。馬に足を踏まれて腫れあがったりもしましたが、撮影を終えて馬と別れる時は皆泣いていました」と思い出を語った。長い間ジャッキーと映画を撮ることが夢だったというヤン監督も「最初の1週間はずっとジャッキーばかり見つめてしまって、これではダメだと気持ちを整理して、監督の仕事をしました」とすっかりファン目線になっていたことも明かした。
ジャッキーちゃん&ジャッキーファンも登壇
イベントでは「マツコの知らない世界」(TBS系)にも出演したジャッキーファンの少年・山田くんと、ものまねタレントのジャッキーちゃんも登場。「映画も5回見て、めちゃくちゃ格好良くてすてきな方です」と緊張気味の山田くんに、ジャッキーは「ベリーハンサム。大人になったら役者になれるよ。教えます」と優しく語り掛け、山田くんも「もう、役者になるしかないですね」と感激の握手を交わした。
ジャッキーとジャッキーちゃんは、約7年ぶりの再会。「ますます似てきた。今度僕のスタントマンをやってほしい」と芸を褒められたジャッキーちゃんは、「拳を痛がるジャッキー」の芸を本人の前で披露。するとジャッキーは「80年代のパフォーマンス(のものまね)ですね。酔拳を勉強したほうがいいと思います」と自ら酔拳を演じてみせ、ジャッキーちゃんも客席のファンの目線もくぎ付けにしてみせた。
「ものまねされることへの感想」を聞かれたジャッキーは「多くの人にものまねされるのはうれしいです。僕のいいところも悪いところも」と語りつつ、ジャッキーちゃんに「あなたは僕の悪いところのまねばかりしていますね(笑)」とツッコミを入れながら、「(ものまねは)これからもOK」と芸を“公認”した。
そしてイベントの終了時間が迫ってきたところで、ファンからのコールに応えていたジャッキーは、場内に流れていたオリジナルの主題歌「青春故事」のメロディーにのせて自ら歌い始め、生歌唱に客席からも自然と手拍子が。
あらためてジャッキーは「皆さんのおかげで僕はチャレンジする力が湧いてきて、いろんな映画に出演できています。これからもどんどん映画に出演して、毎年1本くらいは公開作でまた皆さんとお会いしたいと思います」と日本のファンに感謝を伝えた。イベントは、サプライズあり、笑いありの“神対応”づくしになり、ジャッキーがステージから去る最後の瞬間まで「ジャッキー!」コールが絶えなかった。
◆取材・文・撮影=大宮高史