コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、強面男子が好きな子に全身全霊で愛を捧げる話『激おもラバーズ』(講談社シリウス)をピックアップ。
作者の朝比奈りいむさんが5月23日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、1.5万件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・朝比奈りいむさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
1人の女の子を一途に愛し、努力し続ける男子高校生に衝撃の展開
自分が頬にケガをしたときのダサすぎる話が広まり、学校にいけなくなった成瀬龍牙。笑われ、その話を思い出すしんどさに団地にあるベンチで悩んでいた。そこに同じ団地のみるたそこと町田留美がやってきて、悩み事を聞くと言う。
頬の傷をからかわれるのが嫌で学校に行けていない話をすると、みるたそが驚きの行動に出る。そこから龍牙はみるたそにぞっこんになってしまった。
みるたそが腕っぷしが強い人が好き、と言えば喧嘩が強くなり、上腕二頭筋が発達している人がタイプと言えばそのように鍛えた。龍牙の体は鍛えられ、制服がピチピチだ。健気に頑張る龍牙だが、みるたそが言うタイプになるたびに、彼女は頬に指を添えて「そんなの興味ない」と言うのだった。そんな龍牙を見て、応援している2人の友人である椎也(しいや)は脈がないなら諦めるべきと言い続けていた。
好きになってもらうため、必死に努力を続ける龍牙を見かねて、みるたそは湿布を渡した。同時に頬に指を添えるいつものポーズをしながら「私が龍牙のこと好きになる訳ないのに」と言い残した。
次の日、龍牙の机になにやらラブレターが入っていた。お断りするという龍牙にモテ男である椎也が、一回視野を広げるために付き合ってみろとアドバイスした。アドバイス通り、ラブレターをくれた女子から告白を受けた龍牙。一緒に帰っている中で、彼女がみるたその悪口を言ったのがひっかかった。龍牙の頬の傷についても何も知らない様子。みるたそのことを偏見でしか語らないのも、都合のいい自分を勝手に創られるのにも嫌気が差し、自分のダサい過去を暴露して別れてしまった。
みるたそは龍牙に彼女ができたと知り、家に引きこもりになってしまった。そのことを知った龍牙はみるたその家に駆けつける。自分の重くなってしまう性格が嫌だと言うみるたそに龍牙は身をもって自分の重さを証明し、笑いに包まれる2人。
龍牙への感謝を伝え始めるみるたそ、ついにみるたその本当のタイプが明かされる。そして龍牙はみるたそのある癖に気付いてしまい物語は急展開に――。
龍牙とみるたその純愛に「本当に好きってこう言うこと」「全力でいいなあ」と反響。龍牙の驚くほどの一途さ、その努力に対して「努力は裏切らない」「ぶっ飛びすぎてて好き」とコメントが寄せられている。衝撃の伏線回収に関しても「2週目見たらすごいわ」「2度読ませる漫画」と話題だ。
「もう一度読み直したい!」と言わせる細かい演出が話題に…笑いあり涙ありの恋愛漫画を描く、作者・朝比奈りいむさんにインタビュー
――『激おもラバーズ』の創作のきっかけをお教えください。
もともと地雷系の格好をしている女の子を見るのが好きで、こういう子をどっかの話で描きたいなーって思っていました。ただこれといってネタは思いつかず。そんなときTikTokで、ヤンチャ系の男の子と地雷系の女の子のカップル動画が回ってきたんです。その中々見ない組み合わせに創作意欲を刺激され、ヤンキーのような見た目の龍牙、地雷系女子みるたそのラブコメを思いつきました。これが今作のきっかけです。
――作中に登場する成瀬龍牙、古淵椎也、町田留美、他キャラクター(龍牙に告白してきた子)のキャラクターデザインのこだわりや、描くときに意識していることについてお教えください。
龍牙も椎也もわりとすぐイメージが出来て、すんなりキャラデザが決まりました。仏頂面の龍牙と、感情を全て表に出す椎也との表情やテンションの対比は、描く時意識するようにしてました。1番悩んだのはみるたそ(町田留美)で、もともとスクランパーを付けているビジュアルだったのですが、それを可愛く絵に落とし込められず断念。口ピに変えてみるもなんか可愛くない…結局顔ピはやめて、八重歯を足しました。そのおかげか、たくさんの方にみるたそ可愛いと言っていただけたので、悩んだ甲斐があったなと今では思います。笑
――作中で特にお好きな展開やセリフがございましたらお教えください。
「これからは傷のこと思い出す度に私のことも思い出してよ」(5p)
自分も顔に小さい頃コケてできた傷があるんですけど、学生時代はそれが結構コンプレックスだったんです。なので、自分も当時こんなふうに言ってもらいたかったわ〜っていう願望を詰め込んだセリフなので、気に入ってます。
――本作は「2度読みたくなる話」と読者のみなさんから反響を呼んでいます。ストーリーを創作する際に意識されていることはございますか。
以前他作で賞を頂いた際に、講評欄でキャラクターに癖をつけた方がいいとアドバイスをいただいてから、口癖手癖をストーリーに組み込むよう意識しています。今作も、嘘をついた時に頬を突くという癖を取り入れてみたのですが、反響が良くて凄く嬉しかったです。「ここのページもここのページも確かに頬っぺ突いてる!」とコメントをくださる方もいて可愛かったです。笑
――今後の展望や目標をお教えください。
とにかく作品を描く!連載に挑戦する!です。今のところ1年に1本しか漫画が描けていないので、このスローペースから脱却し、1ヶ月で1本かけるくらい成長したいです。
――最後に作品を楽しみにしている読者やフォロワーの皆さんへメッセージをお願いいたします。
皆さん、いつも作品を読んでくださり、ありがとうございます!今回沢山反応もいただけてとても嬉しかったです!また今後も作品を発信していくので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします!