コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、山口さぷりさんが描く『痛風勇者』をピックアップ。
2024年5月18日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、5,600件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、山口さぷりさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
ビールを飲んで魔王軍に立ち向かう…“痛風の力”で戦う勇者
アイタタタ国のプリン姫は、魔王軍の侵攻に対抗するため異世界から勇者を召喚した。そして、召喚されたのが勇者“キャンディ”こと佐々木健一。彼はなんと痛風持ち。
この国では、痛風持ちにとって大敵な「プリン体」が魔法の源である「魔素」となるのだ。そのため、痛風持ちのキャンディが体内の魔素量(プリン体)を見込まれてこの世界へ召喚された。
魔素量の多さから、キャンディは強大な力で魔王軍を討伐していく。しかし、その戦い方はとても痛々しかった。戦いの前には魔素量(プリン体)を高めるため、姫からたくさんのお酒を飲まされる。そして、バッチリ痛風を発症させた状態で戦いを強いられるのだ。
作品からは、痛風のつらさが伝わるとともに、随所に散りばめられた痛風ネタから少しずつ知識を得られてしまう。痛風持ちからは「ちょっと動かすだけで激痛だからさ」「俺も痛風(高尿酸血症)にはだいぶ苦しめられたからね」など共感の声が集まり、未経験の人からは「私もお酒好きなので気をつけます」と予防を意識するコメントが寄せられた。
作者・山口さぷりさん「楽しく読んでたら痛風についてちょっと詳しくなれた!そんなマンガに」
――『痛風勇者』を描こうと思ったきっかけや理由などをお教えください。
僕はいつも創作仲間と一緒に作業通話しながら作業をしています。ある日いつものように作業通話をしているときに痛風になってしまったことをみんなに伝えました。するとその中の一人けいすけさん(https://x.com/kei31)という方が「痛風のマンガ描きましょう!痛風勇者とかどうですか!」と言ってくれたので「めっちゃ面白そう!じゃあ描きますか!」ということでこのマンガを描き始めました。
――本作を描く上で、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
バカバカしくて読んで楽しいマンガにすることです!
そして読むと痛風についての知識が自然と学べることを大切にしています!実際痛風になって色々調べたのですが痛風やプリン体って結構間違った知識が広まっていたり誤解されていたりするなーという印象を受けました。
楽しく読んでたら痛風についてちょっと詳しくなれた!そんなマンガにしたいなと思っています。
――X(旧Twitter)投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。今回の反響をどのように感じていらっしゃいますか。
コメントしてくれる人の中に実際に痛風持ちの方が大勢いらっしゃったので仲間がいっぱいいて嬉しい!と思いました!また「知り合いの痛風持ちの方にこのマンガを伝えておきました!」などのコメントも嬉しかったですね!
描き始めるときはさすがにテーマがニッチすぎるかな…と思っていたのですがたくさんの反響を頂き本当に嬉しいです!いいね、コメント、RP、電子書籍の購入報告など本当にめちゃくちゃ励みになっています!いつもありがとうございます!
――本作は2巻まで創作されていますが、見どころや注目してほしいポイントなどをお教えください。
2巻の最後「魔素転移」のシーンが超お気に入りです!
普通のファンタジー漫画だと燃える展開なはずなんですけどこのマンガだと地獄のシーンになっています!このエピソードは「お前痛風になったの!良いモンばっかり食ってるからだろー!」とからかわれたときに「あー…オレのプリン体をこいつに送り付けたい!」と思ったのがきっかけで生まれた魔法です。
色んなパロディを詰め込んでいて描いてて超楽しかったので是非みなさんに読んでいただきたいですね!
――山口さんも主人公と同じく痛風持ちとのことですが、特につらいことや日常生活で気を付けていることなどをお教えいただけますでしょうか。
痛風になると歩くのが本当に辛くなってスーパーに食材を買いに行くだけでもかなり大変になります。しかもそれが数週間続くのでかなり辛いですね。
日常生活で気を付けていることは、
・野菜をいっぱい食べる
・粉末青汁を毎日飲む
・PA3ヨーグルトを毎日摂る
・ジムに行って運動をする
・毎日散歩をする
・水分を最低2Lは飲む
・クエン酸を意識的に摂る
などです!
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
痛風は辛いです!!
絶対にならない方がいいです!
まだ痛風になっていない方も痛風の方も痛風勇者読んでください!痛風勇者を読んで楽しく痛風を予防していただけたら作者としてこんなに嬉しいことはありません!