宮野真守の初のオーケストラコンサート「billboard classics 宮野真守 Premium Symphonic Concert 2024~AUTHENTICA~」が、6月8日に東京ガーデンシアターで行われた。オーケストラコンサートは同公演から、6月15日、16日の京都コンサートホールまで全3公演行われ、約1万人を動員。公演内では、12月から2025年1月にかけて全国5カ所で「MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2024-2025」を開催することが発表された。
オーケストラ×宮野真守による最高のハーモニー
中田延亮の指揮、神奈川フィルハーモニー管弦楽団(以下、神奈川フィル)の演奏で「Overture『Beautiful Life』」が演奏されると、豊かな響きが広がり、ブルーのスーツを着た宮野が大きな拍手に迎えられ登場。「…君へ」は、透き通ったハイトーンボーカルから徐々に高揚感が生まれ、オーケストラのベルベッドのような肌触りの音と、宮野のしっとりと艶のある声の質感が最高にマッチングしている。
続く、自身が作詞を手がけたバラード「REFRAIN」でも温かな声が、きらびやかな音と相まって切ない世界が広がる。ピアノの優しい調べからスターした「燦灯歌」を切々と歌い、オリジナルも壮大なオーケストラアレンジが施されたバラード「アンコール」では、“ここは 大切な場所のままだからさ”という歌詞がまさに今日、この時間を共に過ごすファンに向けての思いがメッセージとして伝わる。
フルート、弦、ハープで静かに始まった「Identity」では、全身を使って熱唱する宮野とオーケストラのダイナミックな音、客席の手拍子がひとつになって熱気が生まれる。「HOW CLOSE YOU ARE」はイントロからその世界観にグッと引き込まれる。“どんなに離れていても 君は僕のそばにある”という絆を描いた切ない歌詞と、親近感のあるメロディー、そして宮野の優しい歌をオーケストラの音が際立たせる。アウトロの深い弦の音が、余韻を広げてくれた。
本編ラストは人気の高いバラード「MOONLIGHT」は情感豊かな歌が、心を締め付ける。間奏のたおやかな音も含め、オーケストラの繊細なサウンドが、歌の世界をより美しく彩る。前半はMCもなく、オーケストラが織りなす素晴らしい音と歌、ストイックに自身をさらけ出した。
宮野真守「初めてのオーケストラコンサートで緊張していた」
第2部は神奈川フィルの演奏でムソルグスキー「展覧会の絵~プロムナード~」からスタート。誰もが一度は聴いたことがある名曲をオーケストラが圧巻の演奏で届ける。そしてブラックのタキシードに衣装チェンジした宮野が登場し「EVER LOVE」を披露。ポジティブなメロディーと歌に、オーケストラのポジティブなサウンドが眩しい光となって降り注ぐ。
そしてようやくここで宮野のMCへ。「初めてのオーケストラコンサートで緊張していた」と吐露し、「自分自身が音楽と向き合って、本物=“AUTHENTICA”の音楽を届けたいと思いました」と、コンサートタイトルに込めた意味を伝えた。どこまでも優しいメロディーが印象的な「トロイメライ」は、ささやくような歌とハイトーンのボーカル、柔らかなアレンジがひとつになって感動が広がっていく。
このコンサートのプロデュースを手がける盟友・Jin Nakamuraへの謝辞の述べると、「オーケストラコンサートが行われている、今日6月8日はなんの日かわかりますか?」と客席へ問いかける。そして「みなさんでお願いします!」と「せーの」でリクエストしたと思うと、自ら食い気味に「梅雨!」とボケる。仕切り直し「今日は僕の誕生日です(笑)」と語ると大きな拍手が贈られる。いつものライヴ“マモライ”の空気になってきた。「だいぶ大人に…41歳になりました。今日は逆にこのコンサートのために作った新曲を皆さんにプレゼントします」と語ると、客席から大歓声が起こる。
その後、Jin Nakamuraと共に作り上げた新曲「AUTHENTICA」を披露。ドラマティックなイントロから、涙なしでは聴くことができない曲だと予感させてくれる。「今思っていることを歌詞にしました」と、ひと言ひと言を丁寧に歌い伝える胸に迫るバラード。「泣いてない?大丈夫?」と感動に浸る客席に声をかけ、「一緒にバースデーソングを歌いましょう」と言うと、客席は総立ちになり振付を合わせ「Happy Happy Birthday」を全員で合唱。客席からステージの宮野に「おめでとう!」の言葉が降り注ぎ、ハッピーな空間を誰もが楽しんでいる様子。
「The Birth」はシリアスな内容を描いたアニメの主題歌で、その世界観を色濃く映している激しいリズムのロックナンバーで、オーケストラのサウンドがスリリングさをより立たせ、宮野の歌も熱を帯びて伝わってくる。ラストナンバーは「LAST DANCE」。早いテンポのダンサブルなナンバーで、ジャズアレンジが心地良く、宮野の歌も跳ねるリズムを生んでいる。エンディングはまさにクライマックスというべき圧巻の演奏に拍手は鳴りやまず、宮野が再び登場すると客席から「マモー!」という声が響き渡った。
キングレコード
発売日: 2024/03/20