全米医療ドラマ史上最長のロングランヒット作「グレイズ・アナトミー」のスピンオフで、緊急事態の現場の最前線で活躍する勇敢な消防士たちの日常を描くドラマシリーズ「STATION 19」。シーズン7が6月19日より配信開始したということで、今回は新シーズンから視聴しても付いて行けるようにあらためて登場人物の関係性や本作の魅力を解説する。(以下ネタバレを含みます)
人命救助の場で闘う熱き“ファイター”たちの日々を描いたドラマシリーズ
同ドラマはアメリカで2018年に放送開始。シアトルの消防署“ステーション19”を舞台に都市で巻き起こる火災、爆発事故、家庭内暴力などさまざまな事故・事件の場において命懸けで市民を守る消防隊員たちの姿をはじめ、出世や恋愛、家族との関係性など彼らの人生模様を描くシリーズだ。
主人公のアンディ・ヘレラ(ジェイナ・リー・オルティス)は、恋も仕事もとにかく情熱的な女性消防士で、同じく消防士でありステーション19の隊長を務めていた父プルイット・ヘレラ(ミゲル・サンドバル)に憧れ、消防士としての道を選んだ。プルイットの指揮の下で働くステーション19の隊員たちだったが、ある日彼がガンを患っていたことが発覚したところから物語が始まった。
また同シリーズは「グレイズ・アナトミー」のスピンオフとして制作されており、アンディたちが働くステーション19は本家の舞台であるシアトルの大病院「グレイ+スローン病院」の3ブロック先に位置している。そのため彼らが火災現場などで救出した人々は、グレイ+スローン病院へ運ばれていく、そんな展開も描かれているのだ。もちろん舞台の交わりだけではなく、キャストたちの交流もあり、エレン・ポンピオ演じるメレディス・グレイやチャンドラ・ウィルソン扮(ふん)するミランダ・ベイリーなども登場する。
家族同様の絆でつながる魅力的なキャストたち
ストーリーは基本的に1話完結が多いのでどのシーズンからでも楽しめるのも魅力だ。事故現場の最前線で働くが故に悲しい別れも付きものではあるが、シーズン1から出演するメインキャストの入れ替えが少なく、現段階で続投しているキャストが多いこともうれしいポイント。過去には友情・恋愛関係や出世を巡る意地の張り合いがあったりもしたが、固い絆でつながっているステーション19の主要キャラを紹介する。
オルティス演じるアンディは、何事にも情熱的で実力派の消防士でありステーション19の中心人物。一刻を争う現場で、瞬時に力を発揮できる頼れる存在だ。また「グレイズ・アナトミー」のメレディスと同様に恋多き一面も兼ね備えており、同僚や上司など数多くの人々との恋煩いにより、時にはキャリアに影響を及ぼす時もあるが、真っすぐで真摯(しんし)な仕事ぶりで多くの現場で活躍する。一時離れていたが、シーズン6の終わりで再びステーション19の隊長として働く機会を得た。
グレイ・デイモン演じるジャック・ギブソンはアンディの同僚であり、元恋人関係にあった消防士。不器用な性格で誤解されがちな発言や行動を取ってしまうことも多いが、本当は心優しい性格の持ち主だ。自身が複雑な家庭環境で育ったことから、シーズン3では再婚相手の暴力に悩む母と子どもたちと向き合い、彼らを救おうと試みることに。
アンディとは同僚であり、お互いを支え合う友人でもあるマヤ・ビショップ(ダニエル・サブレ)は強靭な反骨精神でキャリアを築き上げ、消防士の前は陸上アスリートだった経歴を持つ。シーズン3で一時期的に隊長を務めていたマヤは、同第5話にて隊員たちと過ごすキャンプ場でクマに襲われた夫婦を救出することに。鼻を食いちぎられた負傷者のために鼻を探し出し、彼女の過去が走馬灯のように映し出され、山の中を爆走する姿には胸を打たれる。
ステーション19のムードメーカーといえばトラヴィス・モントゴメリー(ジェイ・ヘイデン)だ。基本的におおらかなトラヴィスは、隊長の命令にも従順であり優秀な隊員の一人。シーズン1のラストで発生した大規模ビル火災で大けがを負い、奇跡的に一命を取り留めた。
そんなトラヴィスの親友であり3人目の女性消防士ビクトリア・ヒューズ(バレット・ドス)。彼と同様に従順な彼女も多くの現場で命懸けの救出を試みてきた。そして過去には元恋人で婚約目前だった局長のリプリー(ブレット・タッカー)を失ってしまう悲しいストーリーも描かれている。
「グレイズ・アナトミー」シリーズでは医師として医療現場で働き、消防士として第2のキャリアをスタートさせたベン・ウォーレン(ジェイソン・ウィンストン・ジョージ)。常に冷静であり医師としての鋭い観点も持つ彼は、多くの現場で被災者を救ってきた。妻は本家でおなじみのミランダだ。
Happinet
発売日: 2022/07/27
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