コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、漫画家として活動する赤信号わたるさんが手がけた『加齢なるマウント合戦』をご紹介しよう。
同作は、主人公である男のもとに、未来の自分が何人もやってくるというショート漫画で、赤信号わたるさんが自身のX(旧Twitter)にポストすると、7000件もの「いいね」を獲得して話題に。そこで作者である赤信号わたるさんに、『加齢なるマウント合戦』を描いたきっかけや、こだわった部分について話を伺った。
未来からやってくる各年代の自分に説教される?
ある日、20歳になった大沢敏夫は「もうオッサンじゃん」と笑いながらひとり呟くと、自分の部屋なのにもかかわらず、誰かに肩を叩かれる。
そこには見知らぬ男が立っており、唐突にも敏夫の頬をビンタして「貴様如きがオッサンを名乗るなガキめ!」と怒りを露わにした。当然、敏夫も「誰だテメー!」と見覚えのない男に素性を尋ねると、彼は「私は未来のお前だ!」「真のオッサンを舐めるなぁ!」と驚きの事実が明かされた。
未来からやってきた40歳になった敏夫は、20歳の敏夫に説教を続けていたところ、今度は40歳の敏夫の肩を誰かが叩く。そこに立っていたのは、さらに未来からやってきた60歳になった敏夫であり、40歳の敏夫に「貴様如きが加齢を語るな 小僧めが!!」と怒号を浴びせる。
さらに“未来の敏夫がやってくる”という連鎖は続き、カオスとなった状況は平行線を迎えるかと思いきや、最後に現れた、過去からやってきた子供時代の敏夫によって状況が一変し…。
未来と過去から、それぞれの年代の「自分」がやってくるという設定の同作に対し、読者からは「面白展開なうえに、細かな部分でギャグを入れてくるのが最高」「まさかのオチで笑った」など好評の声が相次いでいた。
作者・赤信号わたるさん「よく動物や植物に生まれ変わる妄想をする」
――『加齢なるマウント合戦』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
まだ全然若いのに「もうおっさんだわ」と言ってしまう人がたまにいますし、実は自分も昔言ったことがあったのですが、いざ実際に自分がおっさんになると、昔の自分に何言ってんだと言いたくなるなと思ったのがきっかけです。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
年齢あるあるに納得してもらえるようにしたいと思いながら描きました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
ラストのオチが予想外だったと多くの読者さんに言ってもらえて嬉しかったです。よく動物や植物に生まれ変わる妄想をするので、自分としては自然な流れだと思ったのですが、人間以外は嫌だという読者さんも多くてそこも個人的には面白かったです。
――個人的にも若い人との会話時に、つい善意のつもりで余計に多くを語ってしまうことがあって反省するのですが、赤信号わたるさんも「年上からのマウント」について思うことがあれば、ぜひ教えてください。
本人は経験や事実を語っているだけのつもりでも、立場や年齢が上になればなるほど圧力が生まれてしまうこと自体は、もうある程度仕方ないと思ってます。相手のストレスになってしまうことを自覚し、余計な言動は控えなければいけないとも思いますが、でも一方で、たとえ嫌われても伝えなきゃいけないこともあるので難しいですね。
――今後の展望や目標をお教えください。
できるだけシンプルに、たくさん漫画を描いて、たくさんの人に読んでいただきたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
漫画を読んでくださって本当にありがとうございます!今回のように、これからもWEB上でも漫画を発表していきたいですし、詳しくはまだ公表できませんが、雑誌での新連載も近い内に始まる予定なので、今後もどうぞご期待いただければ幸いです!