コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、原作を寺屋キハチさん、作画を兎川律さんが担当した『男子高校生は異世界でJKになった。』だ。
同作は「ヤンジャン!」で配信されていた作品で、男子高校生が異世界転生後に女性として魔法使いを目指すという物語。作画を担当した兎川さんが自身のX(旧Twitter)に、第1話にあたる部分を「真面目な男子高校生が異世界で魔法使いになる話」と題してポストすると、9000件を超える「いいね」が寄せられた。
魔法に必要なのは「ムラムラ」?
――水や火を扱う力に念動力、身体の一時的強化、それらを叶える魔法を使うには「魔力」という神秘の力を生み出す才能が必要とされていた。
16歳になったカトレアは、母から魔法を繰り出すために必要な「魔力貯め」の方法を教えてもらおうとしていた。母いわく、血筋によって魔力貯めの方法は様々で、カトレアの家系も例にもれず特殊行為によって魔力を貯めることができるそうだ。
そして、母から告げられた特殊行為とは「ムラムラすること」。さらに「ムラムラ 興奮 背徳感とかで魔力が高まる」と続ける。まさかの方法に驚いたカトレアは、「は!? え!? なんで!?」と取り乱していた。というのもカトレアは、異世界からの転生者であり、転生前は「春見川蘭介」という名のド真面目な男子高校生だった。
転生前の母からは「立派な人間はいかがわしことに興味ないの」としきりに言われたこともあり、「ムラムラする」という感情とは無縁だったのだ…。
意外な方法による魔力貯め、さらにカトレアが魔法に目覚める場面など、急展開が続く同作に対し、読者からは「特殊な設定だけど、先が読めなくて面白い」「ムラムラが必要ってところで笑った」など好評の声が上がっている。
そこで原作担当の寺屋さん、作画担当の兎川さんに、同作を創作したきっかけや、こだわりのポイントについて話を伺った。
原作、作画担当がそれぞれに感じる思いとは
――『男子高校生は異世界でJKになった。』を創作、誕生したきっかけや理由があればお教えください。
寺屋:男性が女性として生まれ変わってしまう話を読みたかったからです。性転換アリの転生ならではの葛藤や恥じらい、段々心が変化していく過程を見たい!と思ってこの話が生まれました。
兎川:自分は作画なので、ストーリーではなく、キャラクターデザインの話になりますが、一癖あるデザインと愛着が湧くように好みをぶち込みました。カトレアは髪型と愛嬌のある顔で、タイガだと顔の傷とガタイの良さ、キネコは品のある(?)感じにしたかったので、金属類のアクセサリーを身につけさせました。
――第1話を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
寺屋:まずは、とにかく主人公カトレアの恥じらいです!
前世の男友達(?)なタイガとのやり取りにも注目してほしいです!
兎川:最初にタイガと出会う、カトレアと蘭介の「誰にもバレずに女装してるみたいだ」のシーンです。女性のカトレアとは違い、蘭介の女性らしい仕草と女装から分かる男性の骨格が見えるようにこだわりました!
――第1話の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
寺屋:「誰にもバレずに女装してるみたいだ」とカトレアが背徳感にドキドキしてしまうシーンです。前世の呪縛を突き破って、内なる欲望が芽を出す大事な場面だと考えています。
兎川:1話の中ですと、カトレアの魔法が使える!とタイガに告白するシーンです。恥じらいを捨てきれず最後の言葉が小声になるのが良いです!単純に照れ顔がかわいいというのもありますが。
――今後の展望や目標をお教えください。
寺屋:『男子高校生は異世界でJKになった。』の原作は既に描き終えましたが、まだまだ描きたい物語が山ほどあります!これからも性癖に忠実に、楽しいお話をたくさん作っていきたいと思います!
兎川:今作ではキャラクターデザインとカラーイラストもやらせていただき、それがとても楽しかったので、いずれは漫画だけでなくイラストにも挑戦したいと思っています。着色が苦手なので勉強します(汗)
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
寺屋:8月19日に最終巻となる第3巻が発売されます!描き下ろしは本作でも最長のページ数!最終回後のキャラクター達のお話も盛りだくさんです!ぜひとも手に入れて下さい!
兎川:コミックス最終第3巻が8月19日(月)発売予定なので、たくさんの方々に読んでいただきたいです!そして寺屋先生と兎川の今後の活躍にもご期待ください〜〜!